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2015年1月29日 (木)

MT

36.手動変速機

手動変速機MTは,必要に応じたギア比をドライバが手動で変速する方式である.エンジン出力を異なった比率でタイヤに伝えるため,複数の異なった比率のギアで構成される.MTには,前輪駆動車用の横置きやトランスアクスル(transaxle)方式,及び後輪駆動車や四輪駆動車用の直列方式がある.四輪駆動車では,フロントとリア両方の車軸を駆動するため,リアに変速機を追加する場合もある.直列方式は乗用車から大型トラックまで幅広く採用されているが,横置き方式は乗用車や小型のバンで採用されている.地域市場別では,ヨーロッパと発展途上国でよく使われ,日米市場では自動変速機ATが多く使われMTはほとんど使われていない.

 MTは次の長所がある.

・高い機械伝達効率

・ドライバが適切なギア比を選択すれば高燃費

・生産設備の投資額はATの半価

ATの約70%と軽量

・サイズが小さく搭載が容易

一方,次の短所がある.

・ドライバに相当のスキルが要求される(日本ではAT限定免許がある)

・燃費と排気ガス量はドライバのギア選択に委ねられる

・渋滞路ではクラッチ操作とギアチェンジ操作がドライバの負担となる

・大型車ではかなりのスキルが要求され万人に適していない

前輪駆動車用手動変速機では,クランクシャフトからの入力軸,副軸(intermediate shaft/lay shaft),ギアボックスの出力軸の3軸で構成される.更に,最終減速となる差動ギア(differential gear )と一体化し,車輪ハブを回転させる.変速機の構成は,後輪駆動車用やミッドシップ車用と基本的に同じである.最終減速比と合わせて,一般的にローギアでは121,トップギアで31の減速比となる.

 後輪駆動車用手動変速機では,差動ギアと最終減速ギアが別体となる.そのため,変速機での減速比は,ローギアで41,トップギアで0.81となる.通常,4速が入出力で11とする.

MTの動作は次のようになる.エンジン回転と入力軸はクラッチを介して接続され副軸を駆動する.副軸は常に入力軸によって回転している.ギアが選定されていないニュートラルでは,出力軸は回転していない.ドライバがクラッチを切ってギアを選定し,再びクラッチを繋ぐと,副軸が回転しながら選定されたギア比の出力軸に噛み合う.副軸と出力軸の回転速度は異なるため,両者を同期させる必要があり,これを可能にするのがシンクロメッシュ(synchromesh)機構である.

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