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2015年6月 2日 (火)

タイヤ力学(2)

 コーナリングフォースが最大になるスリップ角βmaxを過ぎると,タイヤは滑り領域となる.車両がスピンするときは,タイヤが滑り領域に入っている状態である.

 コーナリングフォースは,タイヤの輪荷重が増えるほど高くなる.すなわち,タイヤの路面に対する摩擦力が増大するほどコーナリングフォースも増大するが,摩擦力の範囲内に限られる.タイヤの摩擦力は制動や駆動というタイヤ前後力Fxにも使われるため,タイヤ設置荷重をFz,路面の摩擦係数をμとすると,次式で表される.

 √(Fx2+Fy2)≦μFz    (62)

これは,タイヤ前後力Fxとタイヤ横力Fyが表すタイヤの最大摩擦力を表す円の中で,コーナリングフォースが決まることを示している.つまり,駆動力がかかっていないとき,コーナリングフォースはタイやの摩擦力を最大に使えるが,加減速時はコーナリングフォースが低下することになる.

 例えば,氷上路でブレーキをかけタイヤがロックしてスリップした状態ではタイヤの横力が発生しないことになり,この状態でステアリングホイールを操舵しても、車両をコントロールすることは出来ない.ブレーキ制御のアンチロック・ブレーキング・システムABSでタイヤロックを防止するのは,ブレーキング時にもステアリングで車両をコントロールするためである.また,急発進でホイールスピンを起こしているときもステアリング操作が効かない.発進時のホイールスピンを防ぐトラクション・コントロール・システムTRCは,ぬかるみ路から発進できるようにするためだけでなく,発進時のステアリングコントロールを確保するためである.

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