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2015年6月11日 (木)

過渡応答特性(2)

 ステアリング特性がアンダーステア特性かニュートラルステア特性であれば,lfKf - lrKrは負か0なのでa3は正となり,システムは常に安定している.そのため,すべての量産車はアンダーステア特性になるよう設計されている.

また, (621)式を一般的な2次の特性方程式

s2 + 2ζωn2s + ωn2 = o (622)

と比較すると,2ζωn2=a2ωn2=a3から車両の減衰比ζと固有振動数ωnを求めることができる.減衰比と固有振動数の積ζωnの値が大きいほど2次系の過渡応答の立ち上がりと収束がよいので,求めると次のようになる

ζωn=((lf2Kf+lr2Kr)/I+(Kf+Kr)/m)/V (623)

となる.(623)式は車速の逆数となっているので,速度の増加に伴い過渡応答特性が悪くなることがわかる.また,括弧内は車速と関係なく車両特性だけで決まるパラメーターとなっているため,繰安キャパシティと呼ばれ,操縦安定性の一つの指標となる.ζωnは大きいほど過渡応答特性が良いので、繰安キャパシティを大きくするように車両を設計する必要がある.すなわち,

・コーナリングパワーが大きいタイヤを選定する

・慣性モーメントを小さくする

・質量を小さくする

すると,操安キャパシティが大きくなる.

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