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2015年6月 6日 (土)

旋回性能(1)

622.旋回特性(circular driving characteristics

 (611)式,(612)式の未知数はβとrの二つで方程式が二つあるため,次のように解くことが出来る.

β=(1-mlfV2//2llrKr)lrδ/(1+AV2)l                (613)

r= Vδ/(1+AV2)l                             (614)

ただし,Aを次式とする.

A=-m(lfKf-lrKr)/(KfKr)(2l2)                                              (615)

 スリップ角βとヨーレートrを表す(613)式,(614)式は,前輪の操舵角δが全体に掛かる形となり,直進状態のδ=0ではβ= r =0となる.そして,前輪をある角度δで操舵すれば,その角度δに応じてスリップ角β,ヨーレートrが決まる.両式中に速度V項があるので,一定速度で一定舵角ではβrが一意に決まり,これは車両の運動状態としては,一定速度,一定舵角での円旋回を表す.この円旋回を定常円旋回(steady-state circular driving)と呼ぶ.

 定常円旋回時の回転半径をRとすると,R=V/lであるから,(614)式に代入すると,

R=(1+AV2)l/δ                             (616)

となる.この式から,もしA>0であれば,速度の増加と共に回転半径Rが増大することがわかり,逆に,A<0であれば,速度の増加と共に回転半径Rが減少することがわかる.すなわち,舵角一定の定常円旋回で速度を増加させたときの,旋回半径の変化はAの値によって決まるため,Aをスタビリティファクタ(stability factor)と呼ぶ.そして,Aの値は正の車両をアンダーステア(understeer),Aの値がゼロの車両をニュートラルステア(neutral steer),Aの値が負の車両をオーバーステア(ocersteer)という.スタビリティファクタAの符号は,(615)式からlfKf - lrKrで決まることがわかる.すなわち,前輪のコーナリングパワーと後輪のコーナリングパワーの強さ,そして重心位置がステア特性に大きく関与するといえる.

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