排気ガス(4)
三元触媒で行われる、酸化反応、還元反応、水性ガスシフト反応を三元触媒反応と呼ぶ。この反応を起こす触媒は、担体、ウォッシュコート、触媒成分で構成されている。
担体とは、触媒の構造体そのもので、モノリスと呼ばれるハニカム状の円筒形をしており、耐熱性が要求されるため多孔性セラミックスのコージェライトを使うことが多い。また、ウオッシュコートは、ハニカム上にコートされる触媒成分を保持するものである。
触媒成分は、三元触媒反応を活性化させる活性種と、助触媒や安定化剤の添加成分からなる。活性種には、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRhの貴金属を用いる。PtとPdは酸化反応を促進し、PtとRhは還元反応を促進する。助触媒は酸素貯蔵成分OSC(Oxygen Strage Component)が用いられる。OSCにはセリウムの酸化物CeO2が使用される。CeO2は酸素がリッチになるとCeO3となり、CeO3は酸素がリーンになるとCeO2になるように、酸素の吸収と放出を繰り返す。これにより空燃比の変動を吸収し、触媒反応を効率化させる。また、CeO2は水性ガスシフト反応を促進する作用もある。
現在の乗用車はOBD(On-Board Diagnosis)という故障診断システムが義務付けられており、触媒の劣化を検知しなければならない。OSCの性能はO2センサでわかるため、OBDの観点からもCeO2は重要な助触媒といえる。
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