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2017年6月30日 (金)

最新の量子コンピュータ

 コンピュータはトランジスタのオン・オフによる0、1の2進数計算が基本である。2進数になったのは、有、無という2値状態が自然界で最も安定しているからである。

 ところが、量子コンピュータはこの概念を覆したのである。量子力学による重ね合わせの原理により、量子ビットは任意の桁数を安定的に実現できるのである。

 最新の量子コンピュータの進展がどうなっているかというと、既に10以上の状態を取ることができる量子ビットを生成できるマイクロチップの開発に成功している。もし300の安定した状態が作ることができれば、全宇宙の原子数よりも多くの計算回数を一瞬のうちにこなしてしまうのである。新しく開発されたマイクロチップでは、光子を使っている。レーザー光のパルスをマイクロリング共振器の照射し、光子の波長を10の波長に変更しているのである。この技術は、既存の光デバイスだけで実現できるという利点がある。従来研究されていた量子コンピュータは、極低温装置、超伝導体、高性能磁石を使っていたのである。

 このデバイスを使って、次のステップは96状態を目指している。概念的には、量子ビットを上げていく数の制限はないのである。

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2017年6月29日 (木)

最高速度制御装置

 自動車が出せる最高速度は、十分に法定速度を超えるものである。あらゆる条件で安定した性能を確保するためは、法定速度を超える性能が必要である。

 一昔前まではこの理屈で、最高速度を低くすることは難しかった。しかし、現代は全ての自動車が電子スロットルで制御されているので、必要以上に速度が上がらなくできるはずである。

 例えば、100km/hは勢いよく加速し、100km/hを超えれば自然な感じで速度が出ないように制御することができる。アメリカのオンボード診断装置を販売するデライブ社は、こんな制御ができる装置の販売を計画している。すなわち、デライブ社のシステムX3に最高速度をセットすれば、いくらアクセルを踏んでもそれ以上の速度は出なくなる。セッティングは非常に容易で、インパネのどこかにあるOBDコネクタに接続するだけで良い。診断装置の代わりである。

 デライブ社は、このシステムX3を業務用の安全システムだけではなく、若者の暴走防止装置としても使えるとして売り出す予定だ。来年1月のCESで宣伝するそうなので、反響を楽しみにしておこう。

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2017年6月28日 (水)

Cozmoのグラフィック・プログラミング

 以前、Ankiの小さいトイ・ロボットCozmoを紹介した。販売されてからも評判は上々のようである。

 Cozmoの特徴は、SDKを使ってプログラムできることである。Anki社はプログラミングをより身近にするため、グラフィックスによるSDKを発表した。

 このグラフィックスSDKは、グラフィカル・ドラッグ&ドロップ・インターフェースと称するものである。タブレットの画面上で、Cozmoが行う動作の各種アイコンを選択し、それを繋げていくだけで良い。それを実行すると、繋げたアイコンに従ってCozmoが動いて行くのである。例えば、障害物を回避し、ブロックを操作し、オーナーの顔や感情を認識してCozmoも独自の「感情」で対応するように、プログラムの知識が皆無の子供でも実行できるのである。このSDKは、MITで研究開発されたビジュアルプログラミング言語Scratchで書かれたものである。

 もちろん、準備したアイコン以上のことはできないので、更に複雑な行動はパイソンで書けるようになっている。しかも、AnkiはこれらのSDKを無料でオーナーに提供している。

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2017年6月27日 (火)

スマートメーターでわかること

 家庭の電気量の使用は、スマートメーターでの検査に置き換わりつつある。スマートメーターとは、電力をデジタルで計測し、メーター内に通信機能を持たせた次世代電力量計である。

 スマートメーターを用いると、単に電気の使用量がわかるだけでなく、家庭内の状況がリアルタイムでわかるようになる。例えば、リアルタイムで電力の消費がわかるので、家に人がいるかどうかがわかる。

 カリフォルニア大学バークレー校の研究で、機械学習を使うと家に人がいるかどうかがわかることがわかった。これを応用すれば、留守番電話になることなく効率的に電話をかけるシステムができるのである。しかし、データが無線で送信され暗号化されなければ、プライバシーがなくなってします。ハイテクを使った押し売りが横行してしまうのである。

 そのため、今後スマートメーターの情報は暗号化されるようになるかも知れない。今でも、電力の消費量が公開されれば、いろいろと問題が出そうだ。

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2017年6月26日 (月)

ディープラーニングによるレゴの分類

 研究ではなく、個人の趣味(実益を兼ねた)でディープラーニングが使われた例を紹介しよう。題材はレゴブロックの自動分類である。

 レゴは中古のものが安く買えるものの、色や形を整理されているものは高価になる。安く買えるのは、色も形もばらばらにキロ単位で販売されているものだ。

 そのため、色や形がばらばらのレゴを大量に購入し、整理して色や形毎に箱詰めにすれば高く再販することができる。例えば、ばらばらのレゴはkgあたり10ユーロ程度で、整理しているとkgあたり40ユーロとなる。そこで、個人でガレージ一杯になる2トンものレゴを購入した者が、如何にレゴを整理したかというと、こんな自作機械で分類したのである。それは、ベルトにレゴを載せて流し、カメラで特定の色と形をPCで認識させ、エアで吹き飛ばしてベルトの脇の箱に入れるという仕組みの機械である。ミニ・ベルトコンベアやエアで飛ばす仕組みはすぐ出来たものの、レゴの識別が最も難しかったそうだ。なぜなら、色だけでも100色以上あり、形状にいたっては何千種類もあるからである。オープンCVからダウンロードした画像処理ソフトではうまく分類できず、ベイズ推定では時間がかかり過ぎて実用的なものができなかったので、最終的にディープラーニングの使用に落ち着いたそうだ。使用したのはTensorFlowで、グーグルのライブラリである。これにGPUとして、NvidiaのGTX1080Tiを使った。

 2週間で2万種類の学習を実行できたとか。2トンのレゴを全て再販できたとすると、差額は600万円以上!になったはずである。

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2017年6月25日 (日)

マルチタスクの功罪

 現代技術と人間の関りについて、今年81歳になった電気工学者ロバート・W・ラッキー氏が寄稿している。内容は、現代技術で可能となったマルチタスクについてである。

 現代はスマホを使えば、ちょっと前とは比べ物にならない程早く欲しい情報にアクセスできる。それで仕事の効率が上がっているだろうか?

 欲しい情報にたどり着いた後、すぐ関連する情報にアクセスし、SNSにもアクセスし、Lineを覗いているのではないだろうか。結果、スマホという便利なツールのおかげで気が散るのである。人間の脳は新しい情報を求めるようにできている。そのため他の動物以上に安全を手に入れたのかも知れない。だから、手軽に情報が手に入るツールを持てば、そればかり使ってしまうのは当然なのである。スマホがあれば、マルチタスクがやり易くなるはずなのに、マルチタスクができる環境では気が散ってしまい、集中してやるべきことができなくなってしまっているのである。SNSに依存して、FOMO(the Fear Of Missing Out)やMOMO(the Mystery of Missing Out)という取り残される不安症という言葉もできている。

 人間の脳機能は20歳がピークで、それ以降は下降するだけである。子供ですらマルチタスクで勉強させると間違いなく成績が落ちるので、大人なら尚更、マルチタスクで良いことは何もないはずだ。

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2017年6月24日 (土)

花火ドローン

 数々のドローンの利用法が提案されている。インテルはドローンを花火の代わりに使うことを提案している。

 インテルの提案は一般的なこんなことがあると面白いというものではない。2018年の冬季オリンピックでの実現を目指しているのである。

 インテルは、これから普及が見込まれる、ドローン、バーチャルリアリティ、5G通信、人工知能といった先端技術を如何にオリンピックに活用するかを検討している。ドローン活用アイデアが花火なのである。多くの小型ドローンに発行体を装備し、オリンピック会場の夜空に飛ばして花火のように見せようというものである。非常に多くのドローンが準備できれば、自在に色とパターンを変える夜空のショーが楽しめるだろう。

 このドローンは花火のためだけでなく、カメラや荷物を運搬することに使うこともできる。もちろん、これらのドローンが上空から競技の状況も撮影可能である。

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2017年6月23日 (金)

賞金5億円のAIコンテスト

 人工知能AIのブームを受けて、AIコンテストが盛んに開催されている。そんな中、賞金総額500万ドル(5億円以上!)というとんでもないコンテストが開催される。

 主催するのは、アメリカのベンチャー企業 GoodAI 社である。MicrosoftとNVidiaの協賛を得ており、「General AI Challenge」という名称で開催される。

 特定の目的ではない汎用の人工知能の開発が目的となるコンテストである。汎用の知能とは何だろうか。GoodAIでは、次の3点を汎用の人間の知性と考えている。
・われわれ人間は、すでに学んだことを忘れることなく新しいスキルを学ぶことができる。
・われわれは、既に知っていることを土台としてその上に新たなものを築くことができる。 例えば、ある言語を学んだ後、われわれはそれを再利用して、経験、夢、まったく新しいアイデア等を伝えることができる。
・われわれは、自分自身を改善し、より良い学習者になることができる。 例えば、外国語を学べば、更に別の外国語を学ぶとき、最初に学習したときの発見的な方法を利用してでより効率的に学ぶことができる。つまり、発見的問題解決法を学び、改善し、更にこれらを利用して新しいタスクを解決することができる。すなわち、これが完全に新しい問題を解決する方法といえる。
こんな機能を持ったAIを開発して欲しいということである。

 まずはウオームアップラウンドが開催され、締め切りは8月15日である。こちらは賞金総額500万円と小規模なもので、実装環境も整っているので覗いてみてはどうだろうか。

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2017年6月22日 (木)

技術の進展が早すぎるとき

 IEEE Spectrumでは、新技術の社会への需要性についても議論することがある。技術は社会に受け入れられなければ意味がないからである。

 アリゾナ州立大学のザガリー教授が技術の進展が早すぎる場合について論じているものを紹介しよう。教授自身は、クラウドにデータを保存することに抵抗があるそうだ。

 新技術に付いて来れないとどうなるかという問題は現代に始まったことではなく、既に、1920年代から問題になっていた。当時でも、社会学者のウィリアム・オグバーンは、新技術に適応できない人は損をするという理論体系を提唱していたほどである。また、1930年、経済学者のジョン・メイナード・ケインズは、世界恐慌を技術の変化に付いていけなかった現象と捉えていた。つまり、新技術に遅れを取る人は、その時代に取り残されるのである。ところが、現代は新技術の進展が早過ぎるのではないだろうか。例えば、新技術を積極的に取り入れることによって現代に適用しているように見せかけても、SNSの偽りの情報に戸惑わされたりしている。オンライン教育にしても、実際は対面で教えを乞う場合より効果的とは言えない。

 アップルが成功を収めたタッチスクリーン技術は、実は1970年代から80年代の枯れた技術だったからこそ、ジョブズは自社製品に取込み成功させることができたのである。新技術に遅れると取り残されるものの、進歩が早すぎる場合は静観しても良いのである。

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2017年6月21日 (水)

2017年スーパーコンピューター・ランキング

 今年の世界スーパーコンピューターランキングが発表された。6月は毎年、ISC(International Supercomputing Conference)が開かれるため、そこでランキングが発表されるのである。

 第1位は、中華人民共和国江蘇省無錫市の国立スーパーコンピューターセンターにあるスーパーコンピュータSunway TaihuLight(神威・太湖之光)である。第2位も、中国人民解放軍国防科学技術大学(NUDT)のスーパーコンピュータTianhe-2(天河二号)だ。

 第3位はスイス国立スーパーコンピューティング・センターのスパコンPiz Daintである。1位と2位の計算能力はずば抜けており、3位は省電力で有名である。4位になって、ようやくアメリカのオークリッジ国立研究所のスーパーコンピュータTitan、5位にアメリカ国家核安全保障局ローレンス・リバモア国立研究所のスーパーコンピュータSequoia、6位にアメリカ国立エネルギー研究科学計算センターのスーパーコンピュータCoriとアメリカが現れる。そして、7位に東大のOakforest-PACS、8位がKコンピュータとなる。今や、1位の性能は、Kコンピュータの9倍にもなる。

 1位の神威こそ中国製で開発されたCPUを載せているものの、2位から7位はアメリカ製のCPUを載せている。アメリカは再び首位の座を獲得すべく、CPUメーカーへの支援を発表している。

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2017年6月20日 (火)

メンター・グラフィックスDRS360

 1981年に創業したアメリカの電子系設計ソフトウエア会社メンター・グラフィックスは、最近、DRS360という組込システムを発表した。レベル5の自動運転をサポートするシステムである。

 これまでは、レーダーやカメラ等による環境認識と制御は個別のコンピュータで行われていた。しかし、DRS360はレーダーやカメラの信号を直接入力し、自動運転に必要な処理を行うことが特徴である。

 環境認識センサには、レーダ、ライダー、カメラ等いろいろあるものの、DRS360はこれらのセンサの生データを入力し、リアルタイムに処理して融合する。レベル5の自動運転を現状の自動車のまま実現しようとすると、車載ECUが150個も必要になるかも知れない。しかし、DRS360は150個にも達するECUの処理を、たった1個でこなしてしまうのである。その他にも、ISO26262に求められる実装水準も満たしており、このまま量産が可能なように設計されている。

 DRS360が自動車会社の量産に採用されるかどうかはわからないものの、研究開発段階で検討することは間違いないだろう。同様に、各社はNVidiaのシステムも検討するはずである。

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2017年6月19日 (月)

MIMO(マイモ)

 モバイルデータの高速大容量伝送は、次世代ワイヤレスネットワーク5Gで実現されるといわれている。5Gはまだ計画段階なものの、いくつかのことが合意されている。

 その一つが大規模MIMO(multiple-input multiple-output)の実装である。MIMOとは、送受信とも複数のアンテナを使うことである。

 現在の4G基地局でもMIMOは採用されている。携帯電話トラフィックを処理するアンテナ用に12ポート(送信用8ポート、受信用4ポート)ある。5Gでは、これを100ポートにまで拡大されるのである。これにより、データ容量を22倍以上に増加できる。MIMOの課題は、多くのアンテナを設置することによる信号干渉である。これを解決するため、5G基地局は、ミリ波、小型セル、全二重、ビームフォーミング等の新技術を組み込む必要がある。

 5Gが望まれる分野はスマホだけでなく、時間遅れのない高速大容量通信が求められる自動運転である。5G実現の時期は5年後といわれている。

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2017年6月18日 (日)

アメリカのマイルドハイブリッドの行方

 CO2削減は自動車の場合、燃費向上と同じ意味である。アメリカの環境保護庁EPAも燃費向上を義務付けていた。

 ところが、トランプ大統領はオバマ大統領時代に制定された厳しいEPAの燃費規制を見直すよう命じている。厳しいといっても、2022年から2025年の間に、100km走行するのに6.5リットル以下のガソリン消費にするものである。

 この燃費なら、ほとんどの日本車はクリアしているものである。ところが、排気量が大きいアメリカ車は大変である。ハイブリッド化やEV化で達成できるものの、コストが上がるため、ここ数年取り組まれていたのがマイルドハイブリッド化である。マイルドハイブリッドとは、プリウスのような本格ハイブリッドではなく、パラレル方式のエンジンとモーターの構成で、発進時のみモーターを使用し、減速時に回生で充電するものである。モーターは48Vを使用し、バッテリー容量も小さくしてコストアップを抑えている。

 排気ガスを利用して充電する方式も開発されており、いよいよマイルドハイブリッド技術が開花する時期になっていた。マイルドハイブリッドといってもコストアップはあるため、法規がなくなれば使われなくなり、開発費は回収されないことになる。

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2017年6月17日 (土)

シリコンバレーの雇用状況

 シリコンバレーはアメリカのIT企業の一大拠点である。シリコンバレーの雇用状況を見ると、各ハイテク企業の状況がよくわかる。

 従業員数は、1位アップル、2位グーグル、3位シスコと近年はこの順である。詳しく見てみよう。

 1位のアップルは従業員数が2万5千人である。20位のシマンテックになると2789人となる。テスラモーターズは1万人の従業員がおり、昨年度3471人を新たに雇った。フェイスブックは2586人を雇い、従業員数は9385人になった。また、日本では馴染んでいないものの世界第2位のバイオ製薬会社ギリアド・サイエンシズは、1719人を雇用して6949人となっている。一方、削減人数を見てみると、eBayは3222人、インテルは3000人、ヤフーは193人を削減している。アメリカの企業はドラスティックに雇用削減するので、日本企業より状況がわかり易い。

 シリコンバレーのトップ20社の新規雇用数は16604人で、削減人数を大きく上回っている。シリコンバレーが元気な証拠である。

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2017年6月16日 (金)

走行しながら充電できるワイヤレス充電

 スタンフォード大学の電気工学科シャンフィ・ファン教授は、移動体にも使えるワイヤレス充電方式を研究している。最大のターゲットはEVである。

 移動中に拘らなければ、ワイヤレス充電のEVは実現可能である。ファン教授が研究している方式を使えば、走行しながら充電できるようになるのである。

 ワイヤレス充電は通常、送信側と受信側のお互いの位置を固定し距離を一定にして行う。そのため、充電箇所で停止していなければならない。ファン教授は、磁気共鳴現象を利用し、移動しながらでも充電可能な方式を研究している。原理的に、送信側と受信側のコイルが同一であれば、パリティ時間対称性として知られている量子物理特性のためコイル間の距離の関係がなくなる。ファン教授が研究している方式はこの原理を利用して、送信側と受信側のエネルギー伝達効率を最大にする周波数を自動的に選択するものである。既に、移動する受信コイルに取り付けたLEDを点灯し続けさせる実験に成功している。

 LED点灯実験に必要な電力が1ミリワットに対し、EVに必要な電力は数十キロワットである。ファン教授は原理的に電力が上がっても問題ないとし、今後の研究開発が期待されている。

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2017年6月15日 (木)

ソニーの新型ロボット「トイオ」

 ソニーから新たなロボットが販売される。それは、トイオ(toio)と名付けられた子供用の玩具である。

 トイオのサイズはわずか、32×32×19.2ミリ(縦×横×高さ)の小さな直方体である。上面はレゴのブロックに繋がる凸凹のバンプがあり、下面にはホイールがあって走ることができる。

 トイオは2個セットで販売される。トイオは単独で遊ぶのではなく、子どもが工作したもののベースとして利用することを前提にしている。そのためにレゴと繋がるようになっている。ブルートゥースで制御することができ、専用のコントローラも2個付いている。トイオ本体にセンサもあり、自律して走行することも可能である。2個のトイオは協調して走行することも可能であり。2個のトイオをロボットの足と見立てて、一組の歩行動作も実現可能である。リチウムイオンバッテリーで2時間の連続運転が可能なので、玩具としては十分だろう。

 トイオはソニー本体が販売するのではなく、社内ベンチャーのファースト・フライトが販売する。プログラムが可能かどうかはわからないが、実際に販売が開始される12月1日に全てがわかる。

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2017年6月14日 (水)

2次元磁性体

 磁性体には、常磁性体、強磁性体、反強磁性体、フェリ磁性体の4種類がある。常磁性体と反強磁性体には磁力がないので、工学的に重要なのは強磁性体とフェリ磁性体の2種類である。

 強磁性体とは、原子の磁気モーメントが全て同一方向のため磁力を持つものである。そして、フェリ磁性体とは、磁気モーメントが同一方向でないものの、磁性が打ち消しあわずに磁力が残ったものである。

 近年、磁性体の中でも2次元磁性体が注目されている。通常、物質構造は3次元で考えられる。ところが、2次元磁性体では、2次元構造で物体を考えることができる。2次元構造の物体では量子性が際立ち、ニュートン力学や古典電磁気学では説明できない現象が観測される特徴がある。そのため、今後の量子デバイスの研究上非常に重要な磁性体といえる。この度、ワシントン大学とMITが、2次元材料の単分子層が固有のフェリ磁気を示すことができることを実証した。

 この2次元フェリ磁性体は低温でしか動作しないため、常温での磁性化という課題が残っている。そのため、磁性体研究者は、材料の磁気特性を制御する方法を模索している。

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2017年6月13日 (火)

ボットの分類

 コンピュータを外部から遠隔操作するプログラムで、不正目的のものをボットと呼ぶ。攻撃者は、ボットネットワークを通して、複数のボット感染環境を遠隔操作して利用している。  

 例えば、出会い系サイトにサインアップした直後にメッセージが届いたりすると、そのメールにボットが仕込まれていることがある。2015年の調査では、あるサイトは7万個以上ものボットを使用していた。

 何れにしても、ボット対策はインターネット社会では重要となり、米国国防省は影響力のあるボット調査に研究費を提供し始めている。最新の研究調査結果によると、ボットの種類は増えており、ボットの分類が焦点になっている。分類の一例としては、ボットが人間を装う度合い、その所有者、他のボットととの連携項目、所有者との関係の秘匿性、目的が分類項目として挙げられている。更に、これらの項目を詳細項目に分類される。そして、ボット同士の相互作用を調査する。これらの研究にはEUも研究資金が提供されている。  

 ボットの分類は多様性と相互作用を焦点としている。このボットの分類は、人間のプロファイリングとほぼ一致していることが面白い。

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2017年6月12日 (月)

脳が曲を覚える過程

 人間の大脳の新皮質は、他の哺乳類に比べて最も発達している。この新皮質が、言語と運動機能を制御している。

 友人の顔や好きな曲を認識するのも新皮質の役割である。最近、新皮質で曲を認識するときのニューロン処理の過程がわかってきた。

 まず、初めての曲が耳から入ると、新皮質の多数のニューロンが発火する。次に同じ曲を聞くと、発火するニューロンの数は初めてのときよりも遥かに少ないのである。これは、曲を個別の音ではなく一種のパターンとして認識するためである。パターンを認識するには、まずそのパターンを記憶するためのニューロンが発火してシナプス結合を形成しなければならない。パターンを認識するときは、シナプス結合が形成されているためニューロンが発火する必要がなくなるのである。

 人工知能の発展の鍵は、新皮質で行われる認識過程を学ぶことにある。このシナプス結合の再利用から学ぶことは多い。

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2017年6月11日 (日)

ハイブリッド有人ドローン

 ドローンが実用的になってから、有人ドローンの実用化検討が始まった。有人ドローンの課題の一つは、バッテリーに制限される飛行距離である。

 2007年に設立された電気駆動の乗物を企画販売するオハイオ州本社のワークハウス社は、ハイブリッドの有人ドローンを提案している。このハイブリッドは日産eノートと同じく、ガソリンエンジンで電気を発生させるシリーズ・ハイブリッド方式である。

 SureFly と名付けられた有人ドローンは、8ロータータイプなので安全性は高い。ガソリンエンジンによる発電だけの航続距離は110kmと控えめなものの、バックアップ用のバッテリーも搭載する。更に、エンジン故障時に備えて、上方に発射して開かせるパラシュートも装備しており、墜落に対する安全性を追求している。今月末のパリ航空ショーでの披露は間に合わないものの、その後にインディアナ州の工場で実演予定になっている。SureFly は軽飛行機に分類されるため、20時間の飛行訓練で操縦可能である。もしヘリコプターに分類されていれば、1500時間もの飛行訓練が必要となる。つまり、SureFly が自動運転で飛行するものの、現在の自動車の自動走行と同じく利用者は飛行免許の携帯が要求される。それでも、20時間の訓練で済むため利用者を見込むことができるのである。

 ワークハウス社の計画では当初の販売価格は20万ドルを目指し、量産できれば10万ドル以下になると予想されている。10万ドル以下というのは、ワークハウスのCEOがテスラーの価格で販売したいとコメントしているからである。

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2017年6月10日 (土)

ソフトバンクのロボット戦略

 ソフトバンクが、ロボットのベンチャー企業ボストン・ダイナミクスとシャフトを買収する。両社はグーグルが2013年に買収したロボット会社のうちの2社である。

 ボストン・ダイナミックスは伝説のロボット学者Marc Raibertが率いる4足ロボットで有名である。そして、シャフトは東大が設立した2足歩行のロボットで有名だ。

 ソフトバンクの発表によると、孫正義会長はロボットが情報革命の次のステージの推進役になるとしている。ソフトバンクがロボット企業を最初に買収したのが、2012年のフランスのアルデバラン・ロボティクスである。これを契機にペッパーを開発した。ボストン・ロボティクスやシャフトを買収するということは、ペッパーを自由に歩かせるためと想像することができる。しかし、ソフトバンクは倉庫の棚を自動化するフェッチ・ロボティクスに2千万ドルも投資しているので、歩行ロボットだけでなくロボット全般に興味を持っていることがわかる。

 ソフトバンクはアルデバランのフランスから、ボストン・ロボティクスのアメリカ、そしてシャフトの日本へと拠点を増やした。ソフトバンクが世界最大のユニークなロボット企業になるかも知れない。

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2017年6月 9日 (金)

脳深部への非侵襲刺激法

 最近、深部の脳細胞に非侵襲性で刺激を与える方法が見つかった。MITのメディアラボで考えれたこの手法は、時間的干渉法と呼ばれている。

 脳に電気刺激を与える治療において、深い部分への刺激はこれまで外科的に電極を埋め込むしか方法がなかった。ところが、頭皮に電極を置くだけで深部まで達する可能性がわかったのである。

 現在のところマウスでの実験に留まっているものの、人間にも安全に適用できるものと見なされている。この原理は脳細胞ニューロンの特性を利用したものである。ニューロンは高周波信号には反応せず、低周波信号に反応する特性がある。そこで、メディアラボでは、脳のターゲットとする部分に2000Hzの信号と2010Hzの2種類の信号を送った。2種類の信号は干渉して10Hzの低周波信号を作り出し、ニューロンはその10Hzに反応したのである。刺激の強さは、10Hzの振幅を変えるだけで良い。彼らは生きたマウスで実験し、所望の部位をこの手法で刺激することに成功したのである。

 次段階では、人間への適用を検討している。これが成功すれば、中枢神経障害への画期的な治療法になることが期待できる。

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2017年6月 8日 (木)

自動運転技術の応用例

 コンピュータビジョンを使った自動運転を研究してた研究者が、ライトハウスというベンチャーを創業した。起業の内容は自動運転ではなく、コンピュータビジョンを使ったシステムである。

 会社名が示唆するように、この会社は家庭の状況をコンピュータビジョンで解析するものが業務内容である。具体的には、スマートフォンのアプリとして「今朝は誰が愛犬の世話をしたか」がわかるソフトの販売である。

 スマートホームの一環として考えており、外出中に家の様子が気になるユーザー向けの商売をやろうとしている。やり方としては、家の中の数カ所(玄関や子供部屋)にカメラを設置し、その映像を30日間に渡ってクラウドに保存する。映像はリアルタイムで移動物と固定物を分離し、移動物は人物かペットかを分類する。更に人物は顔認識を施し、誰かを認識するのである。ユーザはスマホの映像を見るのではなく、この認識結果を知ることができる。すなわち、今朝は誰が愛犬の世話をしたかという報告を受けるのである。もちろん、家人以外の人物が検出されれば、セキュリティ会社に通報する。

 このシステムは画像処理だけではなく、変調をかけた複数の投光ライトも併用して距離情報も検出している。この技術も自動運転で開発した技術である。

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2017年6月 7日 (水)

ナノシート

 現代のICはシリコン上にトランジスタ回路が生成されている。集積度を高めるため微細化して出てくる問題点を解決するため、種々の方法が検討されている。

 微細化して問題になるトランジスタのソース、ドレイン、ゲート端子のゲートからのリーク電流の防止のため、ゲートをフィンのように立体化するfinFETが有効な手段といわれている。IBMはそれに対向する手段として、ナノシートを研究開発している。

 ナノシートとは、ナノ単位の厚みのシートにトランジスタ回路が組み込ませ、それを積層してICを構成する方式である。IBMは10年間の研究で、厚みが5ナノメートルのシートの開発に成功した。IBMは、最新のfinFETでは10ナノメートルのプロセスまでは大丈夫だが、次の7ナノメートル、5ナノメートルとなると、やはりリーク電流の問題が出てくると予想している。そのため、5ナノメートルの対策が必要なのである。ナノシートは、水平シートによりトランジスタを完全に囲むため、リーク電流を防ぐことができるということである。また、ナノシートにする方が、finFETより消費電力が削減される効果もある。

 IBMの実験によれば、ナノシートによって75%もの電力を節約することがわかっている。ナノシート用の半導体プロセスにも目途が立っているようだ。

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2017年6月 6日 (火)

アメリカのパリ協定離脱

 トランプ大統領は、パリ協定から離脱すると表明した。これには IEEE Spectrum も問題提起している。

 パリ協定は200カ国が支持しているのである。それが、世界第二位のCO2排出国が離脱するというのである。

 CO2が地球温暖化の唯一の原因ではない。しかし、人類の化石燃料を使用した経済活動が温暖化に加担しているのは間違いなく、パリ協定の離脱は人類共通の地球に対するケアを放棄するものである。しかもその理由が、自国の経済発展を優先するということなのである。これには、トランプの知恵袋になると言っていたイーロン・マスクも反発した。アップルのティム・クック、ファイスブックのマーク・ザッカーバーグ、グーグルのサンダー・ピチャイ、GEの会長ジェフ・イメルト等も失望したことをツイートしている。CO2の大気中の寿命は100年である。次の大統領がパリ協定に戻るまでの期間に排出されたCO2は100年間消えることはないのである。

 実は、アメリカもクリーンエネルギー産業を活性化させており、インテルはアメリカのクリーンエネルギーのトップ消費者である。ピッツバーグですらクリーンエネルギーの導入を始めているのである。

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2017年6月 5日 (月)

ネズミの脳の構造解析

 人工知能が人間の能力を凌駕する場面が現われだした。しかし、まだまだ人間の脳の能力にはかなわない。

 例えば、一度しか見ていない他人の顔を、一部が不明瞭でも再び認識できる能力は人工知能にはない。そこで、生物の脳の構造を分析して人工知能に応用する試みが始まっている。

 アメリカ国防総省の情報先端プロジェクトIARPA(Intelligence Advanced Research Projects Activity)では、1億ドルをかけたマイクロンという新プロジェクトを立ち上げた。この中で、ネズミの脳の構造の解析を行っている。ネズミの脳といっても、1立方ミリの脳の中で5万個の神経細胞が5億もの回路網を持っているのである。まず、ネズミに3D形状が示されるビデオで形の違いを認識させる。生きた細胞に蛍光蛋白質を遺伝子導入させると、神経細胞は特定の波長のレーザー光を照射すると発光する。そして、神経細胞の活動が発光に変化をもたらすので、神経細胞の活動をリアルタイムで可視化することが可能となる。この原理を使って、ネズミが3Dを認識すると脳の構造がどのように変化するかを解析するのである。

 このときのネズミの脳の情報量は2ペタ・バイトになり、脳の神経細胞網の構造は立体的なものとなっている。マイクロンは、この構造をディープラーニングに応用することを目指している。

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2017年6月 4日 (日)

新世代コンピュータ

 人工知能をより人間に近づけるため、人間の脳の特徴や考え方が更に研究されている。その背景には、現在のコンピュータが限界に近いということがある。

 現在のコンピュータは、シリコンで回路を作るハードウエア技術と、プログラム記憶方式というソフトウエア技術で成り立っている。発明から70年経過したこの技術は、人間の様に考えるには適していないのである。

 新世代のコンピュータの目標は、真に思考する機械になるということである。人間のように反応して計画し、そしてなぜそうしたかを考えることもできる思考機械である。このような新世代コンピュータができれば、人間の医師よりも素晴らしく健康状態を管理改善してくれるコンピュータ医師が誕生すると期待されている。同様に、思考を伴う仕事を行うことができるため、ほとんどのデスクワークから人類は解放されるのである。

 人間は他人と協調して思考を発展させることができる。人間のように考えるコンピュータはコンピュータ同士で議論するかも知れないし、人間とコンピュータが協調して考えることも可能となる。

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2017年6月 3日 (土)

自動運転とEVの関係

 自動運転とEVは相性が良い。IEEE Spectrum は今後普及する自動運転はEVベースと考えている。

 その兆候として、フォードは新CEOにEVと自動運転事業に取り組むフォード・スマート・モビリティのジム・ハケット会長を迎え入れた。ハケット新CEOは、今後ロボティクスやAIに力を入れると表明している。

 EVの課題の一つは充電時間である。これはワイヤレス充電スポットの普及により解決されると見られている。そのとき、確実に無人で充電スポットに移動するには自動運転が必要なのである。また、自動運転になれば、車両は無人で移動することが可能になるため、固定した車庫が不要になり、人が乗らないときでも無人で道路を走り続けていても良い。すると、メンテナンス率が桁違いに下がり耐久性が向上するEVの方が都合が良いのである。つまり、自動運転とEVはお互いに必要とされる関係といえるのである。

 スイスの銀行UBSは、EVが本格普及するときを2025年と読んでいる。2025年になれば、レベル3以上の自動運転が実用化しているはずである。

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2017年6月 2日 (金)

トンボのサイボーグ化(2)

 1月の記事で、アメリカのケンブリッジを拠点とする研究開発ベンチャーのDraper社が開発している、トンボをサイボーグ化する装置を紹介した。そして、半年後、DragonflEyeと名付けられたデバイスを装着した生きたトンボが、実際に飛行するビデオが公開された。

 DragonflEyeはトンボにランドセルのように背負わせる。システムを動かす電力は、ソーラーパネルを使用している。

 このシステムは、ソーラーパネルを使用してバッテリーを持っていないので、最小限の重量になっているといえる。トンボの背負わせているので、重量は極力軽くならなければならない。トンボへの指令は、神経を光で刺激して行う。昆虫の持っているセンサーや筋肉神経を刺激するのではなく、この光で神経を刺激するところが最大の特徴である。そのため、飛行能力を一切損なうことがない。トンボの神経に制御コマンドを送るようなものである。

 残念ながら公開されたビデオでは、トンボがDragonflEyeを背負って真っすぐに飛行するところしか映っていない。それでもこのビデオは、神経と接続された装置を背負ってトンボが生きて活動できることを証明している。

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2017年6月 1日 (木)

脳卒中の新治療法

 今年、英国エジンバラで開催された国際ニューロモデュレーション学会で、インプラントしたデバイスが脳卒中患者に効果のあることが発表された。これは9カ月間観測してわかったことである。

 このデバイスとは電気的に神経を刺激する装置で、患者の首の左側を埋め込んで迷走神経を刺激する。これを9カ月続けると、何もしない患者に比べて88%の患者に効果があった。

 この治療法は、マイクロトランスポンダー社とテキサス大学ダラス校が共同研究した結果である。これは、脳の損傷した領域を迂回して学習するという理論に基くものである。そのため、脳卒中のリハビリには脳を刺激することが重要である。ところが、刺激後の数秒しか神経が元に戻ろうとする力は持続しない。そこで、適度に連続して刺激を継続するデバイスをインプラントすることになったのである。

 この電気刺激により神経が回復するのと同時に運動を行って回復を狙う。この手法は、耳鳴り、外傷性脳損傷、部分脊髄損傷、ストレス障害等の治療にも適用できる可能性がある。

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