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2017年7月 1日 (土)

車両運動力学(1)

 しばらくの間、以前にも掲載した車両運動力学を解説する。車両運動力学は、物理、一般力学、機械力学、振動工学、制御工学を前提とするため、自動車に関わる機械系の学生の専門課程にちょうど良い内容となる。

 車両運動力学を理解して、車両運動を数式でモデリングできるようになると,実際の開発以前に運動性能を確認できるようになる。すなわち、シミュレーションによって車両運動に必要な各種パラメータが調整できるようになり、狙い通りの設計が可能になる。

 車両運動力学で最も重要なものは、車両旋回時のコーナリング運動である。車両を旋回させるとき、ステアリングで前輪を操作し、前輪タイヤの向きを進行方向から曲がりたい方向に変える。遠心力を無視できる低速では、前輪が回転する方向がほぼ車両の旋回方向となる。ところが、車速があがり旋回時に遠心力が発生する状況になると、前輪タイヤは回転方向に転がるだけでなく、車両の進行方向に押し出されるためタイヤの接地面が路面との摩擦で捻じられて接地面にたわみを生じる。タイヤは弾力があるため、捻じれを元に戻すがまた捻じられることになり、連続してこれを繰り返すことになる。その結果、タイヤの進行方向は、タイヤの回転方向に対して外側にずれて行く。このときのずれ角を、スリップ角と呼ぶ。

 タイヤが接地面で捻じられたことにより生み出された弾性力を、タイヤの進行方向に対して直角な方向をコーナリングフォースと呼び、タイヤの回転方向に対し直角な方向を横力と呼ぶ。コーナリングフォースと横力は、スリップ角分だけ方向が異ることになる。

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