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2017年7月 3日 (月)

車両運動力学(3)

 定常円旋回中に操舵角を保ったまま加速し、旋回半径が大きくなる特性をアンダーステアという。旋回半径が変わらなければニュートラルステア、旋回半径が小さくなるものがオーバーステアである。

 なぜ、このような旋回特性の違いが生じるかを考えよう。これには、前後輪のコーナリングフォースが関係している。

 コーナリングフォースはスリップ角にほぼ比例する。この比例定数をコーナリングパワーという。4輪のコーナリングパワーが釣り合う点を、ニュートラル・ステア・ポイントNSPという。例えば、4輪共同じタイヤを装着しておれば、4輪のコーナリングパワーは同じなので、NSPは車両中心のホイールベースのちょうど真中の位置になる。一方、旋回による遠心力は、車両の重心に発生する。FF車では車両前方の方が重いため、重心位置はNSPよりも前方に位置する。車両が加速すると、重心とNSPまでの距離と遠心力とが、旋回する向きとは逆向きのモーメントとして働き、その結果旋回半径が大きくなりアンダーステアになる。重心位置とNSPの位置が同じだと、旋回半径は変わらずニュートラルステアとなる。重心位置がNSPよりも後方になると、旋回半径は小さくなりオーバーステアになる。

 アンダーステアの場合は、前輪の操舵角を増してスリップ角を増やし、前輪のコーナリングフォースを増大させる必要がある。オーバーステアの場合は、逆に操舵角を減少させ、前輪のコーナリングフォースを減少させる必要がある。

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