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2018年11月 5日 (月)

車両運動力学(5)

6.2.車両の旋回特性

 前節では,単純化するために,タイヤ1輪で考えた.タイヤの力学を考える際にはそれで十分だが,旋回の状態をくわしく考えるためには,車両全体,つまり4輪まとめて考える必要がある.そこで,本節では,高速状態で曲がる4輪の状態について説明する.

(1)定常円旋回

 高速旋回時のタイヤの状態を図6.5に示す.このとき,前輪に発生したコーナリングフォースは,車両の重心点に対して内側に回転するZ軸まわりに自転させる力(ヨーモーメント)として作用する.一方,重心点を挟んだ後輪は,前輪の動きによって外側に回転することになり,前後輪のコーナリングフォースは逆向きの力となる.これらがバランスして釣り合うとヨーモーメントは消滅する.このように,高速旋回は,前後輪に発生したコーナリングフォースの総和と,4輪に働く遠心力が釣り合っている状態であり,これを定常円旋回という.

(2)旋回特性

 定常円旋回の状態で操舵角を一定に保ったまま加速すると,車両が描く軌跡はつぎの三つの状態のいずれかになる.

1)アンダーステア:旋回半径が大きくなる
2)ニュートラルステア:旋回半径が変わらない
3)オーバーステア:旋回半径が小さくなる

旋回特性にこのような違いが生じるのは,前後輪のコーナリングフォースが関係している.

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