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2018年12月31日 (月)

運転中のインタラクション(83)

 運転中のインタラクションの最後は、自動運転システムのヒューマンファクタで締めよう。自動運転のヒューマンファクタでは、単にドライバとのインタラクションだけでなく、他の交通参加者と社会との関連も考慮しなければならない。

 ドライバとのヒューマンファクタが発生する自動運転のレベルは3までである。レベル3まではドライバがテイクオーバーを行う可能性があるため、システム理解、システム状態の理解、システム操作の理解、システム挙動の理解が問題なく適正に行われるHMIが必要である。

 その上で、適正にテイクオーバーが行うことができるよう、ドライバ状態の課題を解決しなければならない。更に、自動運転車は、周囲を走行している車両や歩行者とのインタラクションを考えなければならない。従って、自動運転車も自車の動きをターンシグナル、ストップランプ、ハザードランプで意思表示しなければならない。また、手動運転で行われる速度や車両挙動を変えたり、アイコンタクトやハンドジェスチャーに代わるものを考えなければならない。特に、対車両よりも対歩行者や自転車では、アイコンタクトやハンドジェスチャーが重要となる。

 手動運転では歩行者も含めた他交通と、非公式コミュニケーションを行っているのである。自動運転車にもこの非公式コミュニケーションに代わる手段(例えば車体ディスプレイで意思を表示)が求められるのである。

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2018年12月30日 (日)

運転中のインタラクション(82)

 自動運転レベル1の運転支援システムでは、環境監視義務はドライバにある。そのため、レベル1となる自動ブレーキでは、ドライバの過信が問題となる。

 自動ブレーキが100%ドライバの期待通りに作動するわけはないので、過信だけでなく、過度な依存も同様に問題となる。過去には1990年代初頭のSRSエアバッグを、シートベルトの代替と誤解され問題になったことがある。

 先進安全自動車ASVプロジェクトにおいても、過信や過度の依存を重要視されている。ASVでの運転支援の考え方では、ドライバの過信を招かないように配慮した設計をすることと明確化している。しかし、過信の問題への対処については、方法論が確立していない。そもそも、過信の明確な定義がなく、多様な概念が交錯している。過信に関連して、コンプレーシェンシー、不適切なメンタルモデル、状況認識の欠如等がある。また、信頼は、目的、方法、能力、基礎の4つの次元を持ち、基礎を除く3つの次元で過信が起こるといわれている。

 過信の抑制はシステムデザインの問題であり、目的、方法、能力においてドライバにわかり易い工夫が求められる。また、リスク補償行動を起こさせないために、リスクの目標水準を下げる工夫も不可欠である。

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2018年12月29日 (土)

運転中のインタラクション(81)

 自動化レベル6以上では、ドライバの指示を待つことなくシステム自身の判断で操作を行うことができる。そのため、ドライバが状況認識していないと、オートメーションサプライズを起こすこともある。

 一方、自動運転もレベル分けされており、自動化レベルとは明確に区別されなければならない。下記の自動運転レベルはマクロ的に、自動化レベルはミクロ的にドライバとシステムの協調を捉えたものである。

レベル1:システムが縦方向制御あるいは横方向制御の一報を担当、ドライバは、システムが担当しない運転操作を担当する(運転支援)

レベル2:システムが縦方向と横方向制御のいずれも担当、ドライバは、システムが担当しない運転操作を担当する(部分自動運転)

レベル3:システムが車両制御のすべてを担当、システムがドライバに制御の交代を求めたいときは、十分な時間余裕をもってドライバに要請、ドライバはその要請に適切に対応する(条件付き自動運転)

レベル4:システムが車両制御のすべてを担当、システムからの制御の交代要請に対するドライバの対応がないとき、システムは車両制御を継続する(高度自動運転)

レベル5:ドライバが対応可能なすべての道路条件、走行環境条件のもとで、システムがすべての車両制御を担当する(全自動運転)

 自動化レベルと自動運転レベルの関係では、自動化レベル6が自動運転レベル4に相当する。なぜなら、システムの交代要請にドライバが応じないとき、システムが制御を行うのが自動化レベル6以上だから

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2018年12月28日 (金)

運転中のインタラクション(80)

 運転における目標達成は、知覚・認知・判断・操作の4ステップで表現される。知覚と認知の自動化は抵抗なく受け入れることができるものの、判断と操作をどこまで自動化するかは慎重な検討が必要である。

 判断と操作をどの程度自動化するかの概念に、自動化レベルがある。長らく10段階で表現されていたところ、最近レベル6.5の存在がわかり、現在は下記の11段階で表現している。

レベル1:システムの支援なしに、すべてを人が決定・実行
レベル2:システムはすべての選択肢を提示し、人はそのうちのひとつを選択して実行
レベル3:システムは可能な選択肢をすべての人に提示するとともに、ひとつを選んで提案、それを実行するか否かは、人が決定
レベル4:システムは可能な選択肢の中からひとつを選び、それを人に提案、それを実行するか否かは、人が決定
レベル5:システムはひとつの案を人に提示、人が了承すれば、システムが実行
レベル6:システムはひとつの案を人に提示、人が一定時間内に実行中止を指令すると同時に、その案を実行
レベル6.5:システムはひとつの案を人に提示すると同時に、その案を実行
レベル7:システムがすべてを行い、何を実行したか人に報告
レベル8:システムがすべてを決定・実行、人に問われれば、何を実行したかを報告
レベル9:システムがすべてを決定・実行、何を実行したかを人に報告するのは、報告の必要性をシステムが認めたときのみ
レベル10:システムがすべてを決定し、実行

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2018年12月27日 (木)

運転中のインタラクション(79)

 人間の情報処理能力には限界があるため、複数の情報表示が提示されても処理できない。そのため、警報と同様に、重要度と緊急性に従って、優先度を付け表示することが望まれる。

 また、道路交通状況によって運転ディマンドは異なり、ディマンドの状態に応じて情報処理リソースが投入され運転パフォーマンスが発揮される。よって、運転ディマンドを示すワークロードを推定することによって、情報表示を管理することも必要となる。

 道路構造を変えて副次課題(視覚検知)を実施し、道路の違いによるワークロードを推定した結果では、ワークロードの低い静止状態をパフォーマンス95%とし、高速道路ではワークロードが中程度となり、パフォーマンスが75~78%となった。更に、カーブ路や優先関係が明確でない市街地道路や信号のない交差点ではワークロードが高く、パフォーマンスは40~66%となった。負荷の要因として、道路構造の把握、交通状況の把握、ペース阻害、運転操作の4つをあげ、これらを車速センサから推定する手法もある。

 また、車速センサ手法と副次課題手法との相関を研究した例もあり、直線路では車速センサをアクセルペダル操作とみると、副次課題法と高い相関が得られている。すなわち、アクセルペダル操作が頻繁になる状況では、ワークロードが高いといえる。

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2018年12月26日 (水)

運転中のインタラクション(78)

 実際に警報の色や点滅パターンを変化させると、どのように知覚印象が変わるかを50人に実験した結果を紹介しよう。矩形に表示したディスプレイで色(赤、黄、緑、青、白)、輝度、サイズ、点滅パターンを変化させ、重大性と緊急性の印象を順序付けしたものである。

 色については、緑青白の重大性の印象差は小さく、黄、赤の順で大きくなる。点滅周期では、連続と1Hzでは差が小さく、2Hz、5HZの順で重大性の印象が強くなる。

 点滅のデューティ比で30%と70%を比較すると、30%の方が重大性の印象が強くなる。サイズも大きなるほど、印象が強くなる。音の周波数効果では、500Hz、1KHz、2KHzと周波数が高くなるほど印象が高くなり、純音よりも倍音成分があると印象が高まる。しかし、倍音成分の影響は基本周波数によって異なり、一定の効果はみられない。音圧は高くなると印象が高まり、断続音よりも連続音の方が重大性が高まる。断続音では周期が短くなるほど印象が大きくなり、デューティ比が高くなると印象が強まる。緊急性についても、重大性とほぼ同傾向である。

 視覚表示と聴覚表示を併用すると、重大性、緊急性とも加法的に印象が強くなる。これに加えて、危険、注意、情報という言語的ラベルを併用すると、ラベル付けによる印象は強まるものの効果は10%程度しかない。

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2018年12月25日 (火)

運転中のインタラクション(77)

 運転支援システム登場以前の警報は、オイルの残量警告等のドライバへの行動変容を即刻求めるものではなかった。そのため、車間距離警報とオイル残量警告と提示方法を変え、意味合い等が競合しないようにしなければならない。

 警報のレベルは、被害の大きさの重大度(Criticality)と差し迫る事態の緊急性(Urgency)が考慮される。これらを総合的に考えて警報間の優先度(Priority)を付け、競合しないように設計する。

 更に警報レベルを考えると、被害の程度によって狭い意味での警報(Warning)と注意喚起(Caution)に分けることができる。米軍のMIL規格では、Warningとは直ちに危険回避行動すべき信号、Cautionは直ちに注意を向け状況理解すべき信号と定義されている。また、特に行動を起こす必要がなく理解だけでよい情報は Advisory Signal としている。そのため、警報を3段階に区別して提示することが一般的である。レベルの違いを提示する方法として、MIL規格では色と点滅に関し、Warningは赤色・2~10Hz点滅、Cautionは黄色・2Hz点滅を規定している。また、文字で表示する場合MILは警報表示のラベルをDanger, Warning, Caution, Noticeの4段階に分けるものとしている。

 警報レベルの違いは、HUDとメータに分けるように表示位置の違いでも表現可能である。そして、警報音の周波数と音圧をレベルによって変化させることもよく使われる。

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2018年12月24日 (月)

運転中のインタラクション(76)

 運転支援システムはACCやぶつからない車のような車両制御だけではなく、ドライバに危険な状況を知らせる警報も重要な機能である。警報機能には、適切なドライバとのインタラクションが求められる。

 警報とは、このままの状態かある行動をとると被害が発生するリスクが高まるため、それを回避するためにドライバに提示される情報のことである。警報はシステムが環境から得られた情報を加工してドライバに伝えるため、開発者はドライバに何を伝えて何をさせたいかを明確にし、適切に表現してドライバにして欲しい行動を促すようデザインしなければならない。

 人間はリスクの認知では、環境や対象物の状態が変化することを手掛かりとしている。例えば、焦げ臭い匂いという手掛かりがないと火災警報は誤報と判断してしまう。交通状況では、トンネルの出口から煙が見えればトンネル内の通行禁止を守る。逆に、煙という手掛かりがなく、単にトンネル進入禁止の信号が出ているだけでは無視して侵入してしまう者が出てしまう。よって、警報によってドライバに行動変容を起こさせるためには、環境側からの手掛かりと警報の表現と、適切に情報を伝えるための言語的情報の三つの要素が統合される必要がある。

 そのため、手掛かりがないときの警報デザインには工夫が必要となる。また、一人のドライバの行動変容が、他のドライバの行動変容の手掛かりになることもあるある。

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2018年12月23日 (日)

運転中のインタラクション(75)

 携帯電話やスマートフォンの普及に伴い、運転中の使用に関わる事故が増えている。運転中の携帯電話使用は、脇見運転の一つとして取り扱われてきた。

 携帯電話使用のドライバへの影響は、人間工学的要因として情報入力系、情報処理、運動出力系に分かることができる。また、研究アプローチとして、実験室実験、DS実験、テストコース実験、疫学的研究が行われている。

 ドライバへの主な影響は、反応時間の遅れや運転操作の滑らかさの低下がみられる。会話の内容が複雑になるほど、低下度が大きくなる傾向がある。疫学的研究により、携帯電話使用により事故発生リスクが2~4倍高くなるとの見解もある。更に、携帯電話使用のリスクをドライバが認識すれば、走行速度を落とす等の補償行動をとることもわかっている。バージニア工科大学VTTIは、運転中の携帯利用による事故発生リスクを、視線移動に伴う操作で約3倍上がり、会話やハンズフリー利用時は有意な増加がないとしている。実際の国内の事故では、携帯電話使用による1998年の事故の中で受信操作時が43.3%、架電操作時が22.2%、通話時が15.6%であった。

 そのため、基本的に各国とも運転中の携帯電話利用が禁止されている。しかし、日本を含め一部ではハンズフリーを規制対象外としている。

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2018年12月22日 (土)

運転中のインタラクション(74)

 ディストラクション評価用に、標準的なタスクが考案されている。各種計測手法の妥当性や信頼性が検証可能となるこれらの代表的手法には、項目再認タスク、Nバックタスク、キャリブレーションタスクがある。

 項目再認タスクとは、検査刺激(提示された数字等のターゲット)と記憶セットが視覚的(または聴覚的)に提示され、ドライバが記憶セットの中にターゲットがあるかを可能な限り速く正確に回答するものである。タスクの成績は回答までの時間と誤反応数により算出され、ワークロードの測定法としても検討されている。

 また、Nバックタスクとは、連続的に提示される一連の文字や数字が読み上げられ、N個前のものが再度読み上げられたときドライバが反応するかどうかというものである。タスクの成績は誤反応数により算出され、LCTで評価対象タスクの感受性を検証することに用いられた例がある。

 キャリブレーションタスクとは、国や実験室が違ったときに同じ条件下で行われたどうかを検証するものである。ISOで標準化され、CTT(Critical Tracking Task)とSuRT(Surrogate Reference Task)の2種類がある。CTTは、PCの矢印キーでPC画面のターゲット領域の中にある動く基準線を、ドライバが矢印キーでトラッキングするものである。SuRTは、PC画面に提示された複数の丸印の中から大きさの異なる丸印を探索し、縦バーをその丸印まで移動させるものである。

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2018年12月21日 (金)

運転中のインタラクション(73)

 ディストラクションにより影響を受ける生理指標も検討されている。代表的なものは、心拍と脳波である。

 心拍の測定項目は、心拍数HR(Heart Rate)や心拍変動性HRV(Heart Rate Variability)等である。HRの増加よりもHRVの減少の方がワークロードとの関連が高いとされる。

 身体的負担が増加するとHRVの減少とHRの増加が関連し、精神的負担が増加するとHRVのみが減少する。また、心拍の周波数解析により、ディマンドや精神的負担がわかるという報告もある。脳波では、単一タスクから二重タスクになると、α波が減少しθ波が増加する。そして、刺激提示から300~900ms後に出現する、誘発電池の陽性成分P300が情報処理負担の指標になるという報告もある。

 生理指標の計測は、実験統制やデータ処理を厳密にしても不明なことが多い。そのため、生体指標だけではなく、主観評価や運転成績等の解析も同時に行うべきである。

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2018年12月20日 (木)

運転中のインタラクション(72)

 LCT法は全体的な運転行動からディストラクションを推定した。これに対し、検知反応に特化したものが、検知反応課題法DRT(Detection Response Task Technique)である。

 DRTは、評価対象のタスクとともに刺激に対する反応を求める二重タスク状況と、DSで走行中にこの二重タスクを行う三重タスク状況を設定する。この状況で刺激に対する検知反応時間や誤反応数を計測する。

 DRTでは刺激提示に視覚、聴覚、触覚を用いる。DRTもISO化するため、3種類の刺激提示方法が検討されている。これらは、頭部を動かしても常に視覚に視覚刺激が提示できるように眼鏡に一体化したLED表示器による方法、フロントガラスにリモートでLED表示を行う方法、ドライバの左肩に触覚刺激を提示する方法である。タスクの実行中にこれらの刺激を提示して成績の変化をみるのである。よって、タスクの遂行中にいつ刺激を提示するかにより成績が異なる可能性があるため、刺激の提示感覚や頻度、強度が重要となる。

 DRTは、視認操作や認知的ディストラクションを伴う課題間の差の検出力が高い。しかし、検出力を高めるためのDRTの要件を明確化するという課題がある。

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2018年12月19日 (水)

運転中のインタラクション(71)

 認知的ディストラクションを計測する代替手法に、車線変更テスト法LCT(Lane Change Test Technique)がある。これは国際標準ISOの26022で「Simulated lane change test to assess in-vehicle secondary task demand」として制定されているものである。

 LCTはPC上に設定したLCT課題(模擬車線変更課題)を実施しながら、評価対象のタスクを同時に行う二重タスク法である。車線変更課題の成績結果から、対象タスクのディストラクションを推定するのである。

 1走行中に18回の車線変更課題が要求される。また対象タスクをできる限り繰り返す手続きもとられる。計測内容は、車線変更の基準軌跡とドライバが走行した軌跡の偏差から計測するMdev(Mean deviation)と修正Mdev(Adaptive Mdev)である。修正Mdevとは、無負荷状態でも走行し基準軌跡を修正した後、Mdevを算出するものである。二重タスクなので、LCT成績の他にタスク課題の成績も取るべきところを、ISOではLCT成績だけでディストラクションを推定することが制定されている。これに疑問視を持つ研究者もいる。

 更に、LCTにドライバが慣れると成績結果が変わってくることや、ドライバの運転能力が影響する。そのため、LCT法は解決すべき課題を抱えた手法といえる。

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2018年12月18日 (火)

運転中のインタラクション(69)

視認行動と同様に、実路での運転成績(パフォーマンス)を車両情報から測定して視認操作ディストラクションを計測可能である。何も機器を操作していない状態での運転成績と、対象機器を操作している状態での運転成績を比較することが基本である。

 運転成績には、ペダル操作による縦方向の指標と、ステアリング操作による横方向の指標がある。これらの成績が、対象機器を操作中にどう変化するかをCAN情報等から測定するのである。

 例えば、定速走行中ではラジオ等の機器操作によりふらついたとしよう。すると、これは車線内の横位置が変位計測により、安全性に係る項目を直接測定したことになり、妥当性の高い指標といえる。縦方向の成績を見るには、追従している先行車との車間距離の変化を見てもよいし、単純に定速走行指示に対する速度変動を見てもよい。ただし、縦方向の場合はタスク遂行に要する総時間TTT(Total Task Time)が結果に影響を及ぼすことがある。すなわち、TTTが短いと、連続事象への反応の変位量が小さくなることがある。そのため、視認操作タスクのTTTを測定し、運転成績とのトレードオフ関係を確認する必要がある。

 運転成績を計測する手法は妥当性の高い指標ではあるものの、視認操作ディストラクションの質的差異が運転成績の何に反映されるか把握しておくことが必要である。また、他車両等の外界の状況によっても変化するため、交通状況も記録しておかなければならない。

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運転中のインタラクション(70)

 直接評価法は多大な手間がかかるため、室内で簡便かつ高精度に視認操作ディストラクションを計測する代替手法が開発された。これが視界遮断法(Occlusion法)である。

 視界遮断法とは、液晶シャッター眼鏡を使用し、まず、前方注視時をシャッター閉(見えない)、機器注視時をシャッター開(見える)とする。この状態になるようなシャッター開閉時間を模索し、総シャッター開時間TSOT(Total Shutter Open Time)を求める手法である。

 TSOTが機器への総視認時間に相当することになり、視認操作ディストラクションを計測したとみなすのである。この手法は実車走行時の安全性指標と関連があるとされ、妥当性が高い。また、視認操作タスクの質的量的差異を識別可能である。そのため、日本自動車工業会のガイドラインやISOの視認操作ディストラクションの計測法として採用されている。ただし、ガイドラインでの視界遮断法はシャッター開閉時間が、自工会では開1.5秒、閉1.0秒、ISOでは開1.5秒、閉1.5秒と決められている。自工会ガイドランはTSOTが7.5秒を超える場合を制限しており、これはTGT8秒の基準に相当するとしている。

 視界遮断法で計測したTSOTは、実走行におけるTGTと対応し妥当性の高い計測法といえる。ただし、SGTが2秒を超えるディストラクションとの関連は、今後の課題となっている。

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2018年12月16日 (日)

運転中のインタラクション(68)

 視認と手操作を含む視覚操作ディストラクションや、全てを含む視認操作ディストラクションは直接評価法が実施可能である。DSや実走行で運転しながら、視認操作タスク実施時のドライバの視認行動、運転パフォーマンス、主観評価、生理指標を測定するのである。

 視認行動の計測は、車室内に設置したビデオで記録したドライバの視線方向や行動を記録し解析する。アイトラッカーで視線を計測することもある。

 視認行動の測定項目としては、一連続の視認操作タスク遂行中に、表示装置を確認した頻度と持続時間がある。具体的には、総視認時間TGT(Total Glance Time)と一回の視認時間の平均値SGT(Single Glance Time)を測定する。これを用いると、日本自動車工業会の「タスク完了までの画面視認時間が8秒を超えないこと」というガイドラインが評価可能となる。同様に、米国自動車工業会のガイドライン「視認操作タスク実施時のSGTが2秒を超えないこと」や「総脇見時間が20秒を超えないこと」も評価できる。

 視認行動は安全性の妥当性を評価するディストラクションの評価指標となるものの、ディストラクションの質的差異がSGT、TGT、視認回数というどの指標に反映されるかは不明である。該当タスクを改善するときこの反映度は重要な情報となるため、これが視認行動評価の改善課題である。

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2018年12月15日 (土)

運転中のインタラクション(67)

 ディストラクションの影響が必ずしも一方のタスクの成績に反映されるとは限らないので、二次タスク法では他方のタスク成績を測定しておく方が望ましい。二重タスク法では、ドライバにいずれか一方の作業を主にすることを求めないため、両タスクの成績測定が必須である。

 ディストラクションの計測法には、主観評価指標、パフォーマンス指標、生理指標を測定する手法に区別できる。この他、事前評価(台上評価)-直接評価(運転行動)、入力系(情報処理段階)-反応系(運転行動)等の観点から計測する手法もある。

 ディストラクションの種類には影響が生じる状況により、視覚的ディストラクション、手操作ディストラクション、認知的ディストラクションに分類される。視覚的ディストラクションとは前方監視から眼を離すタスクによるもの、手操作ディストラクションとはステアリングから手を離すタスクによるもの、認知的ディストラクションとは運転以外のタスクを考えることで発生するものである。オーディオ操作では、ボタンを見るために眼を離し、押すために手を離し、選局のことを考えることでディストラクションが発生する。

 このように一つのタスクの中に、視覚的、手操作、認知的ディストラクション全てが含まれる場合もある。あるタスクのディストラクション評価で、明確にこれらの種類を区別することは難しい。

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2018年12月14日 (金)

運転中のインタラクション(66)

 二次タスク法は、2種類のタスクのどちらかを主として実施するようドライバに教示する。これにより主タスクと二次タスクへの注意の割当てを指示する。

 これに加え、タスク自体の特性によって主タスクになりやすいものがある。どのような特性があるかは以下のような次元になることが解析されている。

①アクティブタスクーパッシプタスクの次元:活動的なタスクほど主タスクになりやすい
②中心タスクー周辺タスク次元:中心に位置するタスクほど主タスクになりやすい
③実験者ベースタスクー操作者(ドライバ)ベースタスクの次元:実験者ベースタスクによりドライバベースタスクが無視されやすくなる

 逆に、二次タスクとして備えるべき要件も次のように解析されている。
①不干渉性:主タスクの成績に影響しない
②単純性
③自己ペース:ドライバのペースで実施できる
④測定値の連続性:影響の程度を連続的に記述できる
⑤主タスクとの適合性

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2018年12月13日 (木)

運転中のインタラクション(65)

 二次タスク法とは、いずれか一方の特定作業を主に遂行するようドライバに求めるものである。これに対し二重タスク法とは、特定のタスクに従事することを求めない。

 また、二次タスク法は、教示の仕方で別の実験となる。すなわち、二次タスクは、副次タスク法と負荷タスク法に大別できるのである。

 副次タスク法では、評価される側のタスクの成績を維持するようドライバに教示し、副次タスクの成績低下の度合いを推定する。これにより、主タスクから生じるワークロードを推定する。一方、負荷タスク法では、主タスクの成績低下を生じさせる付加タスクを設け、付加タスクの成績を維持するよう教示する。このときの主タスク間との成績を比較することで、ワークロードを推定する。

 これら手法の前提は、ドライバの認知的処理容量が一定であり、運転以外の残りの容量で副次タスクを行うということである。つまり、残容量が測定することによって、運転そのもののワークロードを推定しようということである。

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2018年12月12日 (水)

運転中のインタラクション(64)

 その他にも、知覚循環モデル、スポットライトモデルや特徴統合理論等が提案されている。ある程度、モデル名だけからも、どのようなモデルか想像できるのではないだろうか。

 何れのモデルも、人の注意や情報処理過程には、経路(チャンネル)や容量の限界があるという仮定を想定している。二次タスク法も、これらの仮定を前提条件にしているのである。

 二次タスク法の前提条件を整理すると、次の4点になる。
①ドライバは単一のチャンネルをもつ
②チャンネル容量は一定であり限界がある
③容量を測定する手法は単一である
④ディストラクションの影響は加算可能である

 この仮定に従うと、運転と運転以外のタスクのどちらにドライバが注意を向けるかによって測定結果が異なる。つまり、ディストラクションを測定するには、注意の方向を変える必要があるといえる。

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2018年12月11日 (火)

運転中のインタラクション(63)

 ディストラクションを測定する手法は、主タスク法と二次タスク法がある。二次タスク法は異なる2種類の運転以外のタスクにより情報過多になることを想定しているため、さまざまな測定法が試みられている。

 二次タスク法は人間の情報処理モデルで仮定されている前提を用いる。それらには、フィルタモデルと容量モデルがある。

 フィルタモデルでの仮定とは、人間の情報処理過程の経路は大きくなく、選択フィルタで選ばれた情報だけが経路を通過するというものである。また、容量モデルでの仮定とは、さまざまな情報を処理する容量には限界があり、ある活動に容量が配分されれば、別の活動は満足に実行できないというものである。特に、困難な活動には容量が多く割かれるため、他の活動は十分に実行できなくなると考える。

 容量モデルの中には、刺激のモダリティ、課題の種類、認知段階、反応の種類によって資源を区別し、これらは互いに独立と仮定するものもある。これを多重資源モデルという。

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2018年12月10日 (月)

運転中のインタラクション(62)

 外界から要求されるタスクをディマンドという。ドライバのワークロードはディマンドによって決まる。

 ディマンドが増えるとワークロードも増えるかという単純な関係はない。ディマンドが低いときと高い時にワークロードが増え、中間では低くなるU字関係になるのである。

 ディマンドが低い場合、ドライバはディマンドが小さいので別のタスクを実施してしまう。するとこれはディストラクションを誘発し、運転のワークロード全体としては高くなってしまうのである。ディマンドが増えて来るとドライバはディマンドに集中するため、かえってワークロードは減少する。しかし、外界環境が複雑になり更にディマンドが増えると、ワークロードは増えていく。その結果、ディマンドとワークロードの関係はU字関係になるのである。

 ワークロードと運転パフォーマンスは逆の関係になるので、ディマンドとパフォーマンスの関係は逆U字関係になる。ディマンドが低くディストラクションが起きている状態は、ドライバにとっては処理しなければならないタスクが増えてしまうためパフォーマンスが低くなると解釈できる。

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2018年12月 9日 (日)

運転中のインタラクション(61)

 ディストラクションを定義する上で重要な要素として、まず、運転または安全から注意が免れていることが挙げられる。また、運転に競合するタスクに注意が誘導され、安全運転に負の影響を及ぼす前提が仮定されていることも重要な要素である。

 このことから、ディストラクションと覚醒度の低下は区別した方がよいと思われる。同様に、飲酒や疲労、薬物による成績の低下はディストラクションと区別すべきである。

 つまり、ディストラクションの各種定義をまとめると、「ドライバの覚醒水準が適切に維持されている状況下において、一次運転タスク以外のことに意識や注意が向けられている状態、またはそれに伴う成績の低下」ということになる。これに外的要因やドライバの内的要因が影響する。ただし、運転タスクが明確に規定できないので、ディストラクションの定義を明確にできない事情がある。例えば、カーナビ操作による目的地探索は運転の一部とみなすことができる。しかし、マップを見ながら目的地を探すとディストラクションを誘発する。運転に必要なタスクは何かにより、ディストラクションの定義は異なってくるのである。

 したがって、ディストラクションの研究では、研究者の立場を明確にすることが重要である。すなわち、研究者が運転とそれ以外のタスクを明確化することが求められるのである。

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2018年12月 8日 (土)

運転中のインタラクション(60)

 所説あるディストラクションの定義そのものをみてみよう。初期のものでは、「安全に関する情報を見逃されるような情報の不適切な選択」と定義された。

 次に「運転と運転以外のリスクとの間に生じる干渉」と定義された。更に、日本から「一次運転以外のことに意識が向けられることによって、運転パフォーマンスが低下すること」という定義が提唱された。

 これに対し、ディストラクションを原因と考えて「安全運転にとって重要な活動から競合するタスクに注意が免れることであり、安全運手にとって重要な活動への不十分な注意もしくはまったく注意を向けなくなる結果を招くもの」というものもある。また、不注意をディストラクションの定義に含めない考え方もあり、これによれば考えことが運転に干渉することは不注意なのでディストラクションには含まれないことになる。逆に、個人的な関心事に集中することや白昼夢もディストラクションに含めるという考え方もある。

 不注意とディストラクションの関係は、不注意の一つとしてディストラクションは存在する。しかし、不注意の種類は必ずしもディストラクションだけではない。

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2018年12月 7日 (金)

運転中のインタラクション(59)

 不注意状態で運転すると、交通事故のリスクが増大する。不注意現象は単独に生じるのではなく、連続的な運転作業の中で発生する。

 連続的な運転作業中に生じるディストラクションと定義しようとすると、注意の特性を理解しておかなければならない。作業が連続するため、すべて同じ注意特性に関連して不注意が起きるわけではないからである。

 あるタスクに注意を長く維持することは不可能であり、特にドライバの覚醒度が低下していると持続的な注意が困難である。覚醒度は個人特性による慢性的な覚醒と、努力に影響される一過性の覚醒の2種類に分類することができる。そのため、ドライバの努力によって不注意が起きないようにすることも可能なのである。

 また、覚醒水準が最適に維持されていても、要求されるタスクがドライバの能力を超えていると不注意が起きる。この場合、タスク自体が外部要因としての負荷や、内部要因の負担というものになっているのである。

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2018年12月 6日 (木)

運転中のインタラクション(58)

 カーナビやスマホ等の持込機器の画面を見ながら運転する状況は、不安全である。なぜなら、本来安全運転に必要なタスクが、持込機器等の画面注視によって干渉されるからである。

 この状況で注意散漫になることを、ディストラクションという。ディストラクションの状況は明確なものの、研究者による定義は千差万別になっている。

 ディストラクションの定義が千差万別になるのは、人間の注意の特徴が複雑だからである。注意の特徴を大別する範疇としては、注意の持続性、注意の範囲、注意の活動性、注意の選択性がある。一つのことに対して長く注意を維持することができないため、持続性が特徴となる。また、注意を向ける方向や範囲には限りがあるため、注意の範囲が特徴となる。更に、興味あるものには注意が集中し、単調な繰返し作業では注意が低下するため活動性が特徴となる。そして、人は一度に多くのものを知覚できないため、注意の選択性が重要となるのである。

 ディストラクションはこれら注意の特性のどれを重要視するかによって、定義が変わるのである。また、覚醒度や体調にも影響される。

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2018年12月 5日 (水)

運転中のインタラクション(56)

 近年、日欧とも四輪乗車中の死亡事故は減少している。ところが、日欧とも二輪乗車中の死亡事故は減少していないのである。

 二輪車の交通事故が多発する事故類型は、左直事故と出合い頭事故である。主原因は四輪ドライバの二輪車発見遅れという認知ミスである。

 二輪車ライダーは車両の特性上、道路進行方向の路面に注意が向く傾向がある。そのため、どうしても他車の動静確認がおろそかになってしまう。そのため、四輪ドライバの二輪車発見遅れは状況を悪化させるのである。四輪側はレーダやカメラで二輪車を検出し四輪ドライバに知らせるシステムや、二輪車との車々間通信が開発されている。二輪側の対策としては車両特性上レーダやカメラの設置が難しいため、車々間通信による注意喚起と警報提供が検討されている。二輪メーカーの開発例では、ライダーに特有な運転行動を阻害することなく情報支援を行う可能性が示唆されている。

 二輪車用のHMIは研究開発途上であるものの、次のような二つの方向がわかっている。それらは、視覚への情報提供はライダーが容易に認知判断できるものにすべきで、聴覚への情報提供は一義的な内容表現にすべきということである。

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2018年12月 4日 (火)

運転中のインタラクション(55)

 米国ではNHTSAが指示し、米国自工会AAMが2000年にガイドラインを発行した。2002年には1回の視認時間が2秒を超えないこと、2006年にはタスク完了までの総視認時間が20秒を超えないことという規定が追加された。

 2010年、NHTSA自体が情報機器の持込による注意散漫を防止するため、Driver Distraction Program を発表した。これは、2011年に視認操作ガイドライン、2013年に持込機器のガイドライン、そして2014年に音声インタフェースのガイドラインを発行するというものだった。

 ところが計画が遅れ、2013年に視認操作ガイドラインが発表された。これはAAMのガイドラインよりも厳しく、単に情報通信機器だけへの適用ではなく電装品全般に及ぶものだった。例えば、AAMでは車速5km/hまでの停止と定義していたものを、AT車はPレンジ、MT車はニュートラル+パーキングブレーキ時が停止と厳格化された。そのため、ユーザが車載機器に不便を感じ持込のスマートフォンを多用する結果となり、かえって安全性が損なわれることになるのではという懸念が持たれている。

 NHTSAのガイドラインは自工会やESoPに比べても厳しいものである。ただし、唯一、自工会の総視認時間が8秒以下に対し、NHTSAが12秒以下とあるところだけが緩い。

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2018年12月 3日 (月)

運転中のインタラクション(54)

 2000年、欧州委員会ECはカーナビを含めた情報通信機器のHMIガイドラインを発行した。このガイドラインはESoP(A European Statement of Principles on Human Machine Interface)と呼ばれる。

 ESoPの基本的な考え方は、運転に関係のない視覚情報はドライバの注意をそらすという考えたに基づいている。網羅的にカバーしているものの、定性的な記述のみによる留意事項集だった。

 ESoPはガイドラインという推奨であって法規ではないものの、ECは業界に強く遵守を求めた。そのため、欧州自動車工業会ACEAはESoPを承認した。2007年には実際の例を追加した改訂版を発行し、2008年になると持込機器への対応を追加した改訂版を発行した。

 ESoPはカーラジオ、オーディオ、カーナビ等の情報通信機器はほぼカバーしており、最新のADASとの関連にも言及している。ただし、ADASの警報HMIには言及していない。

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2018年12月 2日 (日)

運転中のインタラクション(53)

 カーナビは便利な反面、運転の集中を妨げる懸念もある。そこで、日米欧では情報表示や視認操作を規制する車載情報システムのガイドラインが策定されている。

 日本では自工会ガイドライン、米国はAAMとNHTSAのガイドライン、欧州ではECガイドラインがある。この中で、日本が最も古く1990年、欧州が2000年、米国も2000年に策定された。

 自工会JAMAは普及する車載TVの対策として、1990年11月、走行中のTVやビデオ映像の表示禁止、ナビでは走行中の細街路の表示制限と複雑な操作を禁止する等のガイドライン、バージョン1.0を発行した。1995年6月、表示文字数を制限するバージョン1.1、テレマティクスに対応したバージョン2.0が1999年5月、2000年2月には画像の見下ろし角を30度以内に制限するバージョン2.1と続いた。そして、これまでの禁止事項だけのものから、2004年8月にバージョン3.0としてタスクが完了するまでの画面の総視認時間が8秒を超えないことという世界初の数値基準を発表した。

 バージョン3.0では、自工会が開発した視認性の台上試験法Occlusion(視界遮断)法も規定した。2004年は道交法も強化され、日本ではガイドラインと法律が連携して安全性を確保しているといえる。

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2018年12月 1日 (土)

運転中のインタラクション(52)

 安全運転を促進するシステムもいろいろと提案されている。例えば、自車のリスクを車載カメラで推定し、かつ車両操作データからドライバがそのリスクをどのように把握しているかも推定して、両者の比較から適切な情報を提示するシステムがある。

 また、車の前後方向と横方向の加速度から運転スコアを計算し、コーチングとティーチングを情報表示によって行うシステムもある。しかし、安全の基準がブラックボックスであったり、他車両との相対安全性を無視していることが課題である。

 そこで、安全かつ良い運転の評価指標として、次の4つの無次元量指標が提案された。

・指標Ⅰ:適切な減速
・指標Ⅱ:後続車に配慮した減速
・指標Ⅲ:無理のない加減速
・指標Ⅳ:安全な車間距離

これら4指標の評価値を100点満点に換算し、通算成績と直近の評価区間の点数を表示する安全運転評価システムはSDES(Safe Driving Evaluation System)と名付けられ、ドライビングシミュレータの実験により有効性が示された。SDESを用いると、自発的な安全運転が促される結果が得られている。

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