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2019年3月 8日 (金)

ドライバ行動(67)

 従来、ドライバ行動はスキル(技能)中心で理解されていた。これに対し、フィンランドヘルシンキ大学の交通心理学者ネーテネンとスマラは、ドライバの動機が決定的に重要と主張した。

 ドライバの動機というのは、時間他の短縮やスリルを求めること等で、彼らは、余分な動機(Extra Motives)と呼んだ。これは、交通心理学で用いる用語、リスク効用(Risk Utility)と同じ概念である。

 また、ドライバは客観的なリスクではなく、ドライバ自身が知覚した主観的リスクに適応するとした。客観的リスクと主観的リスクを区別し、そのずれに焦点を当てたところが彼らのモデルの特徴である。ネーテネンとスマラは、ドライバが初心者の頃に抱いていた不安は経験とともに消失し、交通システム内の小さな確率を考慮することができなくなると考えた。すなわちこれは、ドライバの意思決定で生じる結果の主観的確率分布は歪められ、小さな確率リスクを無視するようになるという考えである。

 客観的にリスクのある状況でも主観的にはゼロリスクであるため、このモデルはゼロリスクモデルと呼ばれる。当初、ネーテネンとスマラが主観的リスクモニタ説として提唱し、後にスマラが内容を修正してゼロリスク説としたものである。

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