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2019年6月30日 (日)

イギリス滞在(20)

 イギリスのナンバープレートは、アルファベット文字と数字を組み合わせた横長7桁である。文字と数字は同じ大きさで、最初の4桁と最後の3桁の間にスペースがある。

 そのため、画像処理によるナンバープレート読取りが当たり前になっている。これを利用して、有料駐車場の出口は自動開閉になっているところが多い。

 イギリスの高速道路は、ほとんどが無料である。そのため、一般道からの入口も出口もゲートがなくスムーズである。ところが、一部だけ有料区間がある。ゲートがないため、知らずに有料区間を走行してしまうこともある。すると、後日、郵送でいついつ料金を支払わずに走行したので、いついつまでに通行料を振込めという通知が来る。通知書には、監視カメラで撮影した走行中の自車の写真が印刷されている。もちろん、監視カメラが撮影したものであるし、ナンバープレートを自動で読み取って、事前に通行申請があったかと照らし合わせているのである。

 有料区間を走行する場合は、事前に振込むか、ネットでクレジットカードによる支払を済ませておくことになっている。すべて人手を介さずにできる時代なので成立している。

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2019年6月29日 (土)

イギリス滞在(19)

 イギリスにはレーダーによるスピード違反の取締りがないようだ。すべて監視カメラで行っているのではないだろうか。

 高速道路の最高速度は時速70マイルが多い。時速112キロである。

 ほとんどのドライバーは取締りレーダーがないのに、この最高速度+αを守っている。なぜかというと、レーダーの代わりに監視カメラがあるからである。監視カメラは車両のナンバープレートを読み取ることができ、ある区間の開始地点と終了地点で同じナンバープレートを読み取って平均車速を計算しているのである。このため、追越し時に多少規制速度を超えても安心できるし、ずっと追越し車線をとばす車も少ない。

 高速道路には、日本同様パーキングエリアやサービスエリアがあり休憩できる。適度に休憩して走行するようにすれば、速度違反は気にならない。

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2019年6月28日 (金)

イギリス滞在(18)

 滞在先のラフバラー大学は、当然ラフバラーに位置する。ラフバラーは、イーストミッドランズ地方のレスターシャー州チャーンウッド市にある。

 ラフバラーの人口は5万7千人ほどで、ラフバラー大学の学生人口は1万2千人なので学生街といえる。大学関係の住民が多く、大学の認知度は高い。

 ラフバラーの綴りは、Loughboroughで後半のboroughは、市という意味や、区という意味がある。そのため、何々バラーという地名がイギリスには多い。前部のラフには、「入江」という意味がある。内陸地方のため海はなく、大きな川もないものの、イギリス人には「入江区」のように響いているはずである。

 ラフバラーの名物は、週後半から中心部で開催される青空市場だ。中心部のマーケットは16世紀頃にできたそうなので、伝統的行事といえる。

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2019年6月27日 (木)

イギリス滞在(17)

 こちらの大学に限らず学校は、10月1日が新学期の始まりである。日本と半年ずれているだけかというと、少々違いがある。

 ラフバラー大学の1年間の授業日を見てみよう。まず、10月1日から秋学期が始まり、12月中旬で終わる。

 3週間の冬休みを経て、次が春学期となる。1月7日から始まり、終了は3月末となる。4月1日から春休みが始まり、夏学期の始まりは4月29日だ。そして、夏学期は6月19日に終わり、そこから9月末まで夏休みとなる。秋学期11週、春学期12週、夏学期8週弱となり、合計31週弱が授業週となっている。すると、日本と授業週の長さはほぼ同じということになる。

 日本は前期と後期という分け方で春休みと夏休みが長い。イギリスは3学期制で、夏休みを丸3か月取るとうところが特徴的だ。

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2019年6月26日 (水)

イギリス滞在(16)

 欧州車ばかりといっても、ほとんどの車は日本でも見かけるメーカーと車種である。ところが、見慣れないエンブレムが一つだけある。

 それは獣とV字の旗のエンブレムで、ボクスホールのものである。車自体はどこかで見たことがあるようなものの、日本で見かけることのないエンブレムの車種を見るのは面白い。

 エンブレムの獣は黄金の守護者といわれる想像上の魔獣グリフィンで、旗のV字は社名の頭文字である。そして、ボクスホールはイギリスの自動車会社なのである。現在はイギリス国内がターゲットで輸出をしていないため、(その昔は日本にも輸出したことがあるらしい)日本で見かけることはない。車種はオペルと共通で、エンブレムと車名だけがボクスホールのものになっている。そのため、車形は見かけたことがあるものなのだ。なお、現在のオペルはGMからフランスPSAの子会社になっている。

 車種はAクラスからセダン、ミニヴァン、SUV、貨物と豊富に揃っている。バッジだけの変更で販売するということは、需要があるのだろう。

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2019年6月25日 (火)

イギリス滞在(15)

 一般道路の交通環境で日本と大きく違う点がある。交差点がラウンドアバウトになっており、信号のないところが多い。

 ラウンドアバウトはロータリー内が一方通行のため、ロータリーに入ってしまえば安全である。日本人にはロータリーへの進入が慣れていないので、初めては戸惑う。

 ラウンドアバウトの通行規則は、ロータリー内の走行車が優先ということである。従って、ロータリーに入るとき、ロータリー内を走行している車がいれば一旦停止する。いなければ、そのまま進入すればよい。この基本ルールを守るだけで信号が要らず、信号停止による渋滞もない。ただ、信号が併設しているラウンドアバウトもあり、ロータリー内優先をうっかり忘れて、青信号なので停止せずロータリーに入ると危ない。

 左折はロータリーに入って1番目の出口、直進は2番目の出口となり、右折は3番目、Uターンは4番目で出ればよい。交差点で直角な右折走行がないため、右折車と直進車との衝突が皆無になる。

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2019年6月24日 (月)

イギリス滞在(14)

 6月22日は今年の夏至である。東京の日没時刻は午後7時で、午後7時を過ぎてもしばらくは明るい。

 イギリスは夏時間を採用しているため、緯度の高さを考えなくても1時間昼間が長い。そして北海道より遥かに高く、樺太に相当する緯度のため、日没が遅い。

 ラフバラーで夏至の日没時刻は午後9時30分を過ぎたあたりである。つまり、午後10時になって夕暮れを実感する。夜の暗さを感じるのは、午後10時30分を過ぎてからである。日本より3時間も夜が来るのが遅い。当然のこととして朝も早いので、夏至では日本より6時間も昼間が長いのである。

 サマータイムは、総じて緯度が高いヨーロッパで成り立つ制度だろう。逆に冬は極端に昼間が短くなるので、サマータイムがあって当然と思える。

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2019年6月23日 (日)

イギリス滞在(13)

 イギリスのフォークストーンからフランスのカレーに到着すると、列車内を徐行して駅に出てそのまま高速道路に合流する。列車から降りた途端に、右側通行となる。

 イギリスは右ハンドル左側通行なので、国内での移動と同じになり違和感を感じない。唯一違うのは、ウインカーレバーが左側で、右側はワイパーレバーということだけである。

 列車から降りると、いきなり左側通行が右側通行に代わるのは衝撃的である。しかし、すぐ高速道路に合流し、それまでも前車に続いて走行しているので、右側通行という実感は少ない。対向車線が見えて来たときに、初めて右側通行を実感する。フランスの高速道路の制限速度は130kmと快適である。面白いことに、雨になると制限速度が110kmに変更になる可変速度制限としていることだ。そのため、制限速度は電光掲示板に示され、天候によって表示が変わる。

 たまたま、カーナビの目的地設定で有料道路を外してしまったため、1時間程フランスの田舎道を走ることになった。カレーからパリまで大きな街はなく、北海道を走っているかのような景色の中の走行を楽しむことができた。

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2019年6月22日 (土)

イギリス滞在(12)

 イギリスからフランスへの運転は、意外と走行距離が短い。ロンドン-パリ間がたった480kmである。

 480kmは東京ー大阪間よりも短い。しかも、その間30分は、ユーロトンネルを走る列車ル・シャトルに乗るので運転しなくてもよい。

 ラフバラーはロンドンから185km離れているので、ラフバラーからパリまで約650kmとなる。この距離は東京-大阪間よりも遠くなり、1日の運転が辛そうに思える。しかし、高速道路の制限速度が高く、渋滞がほとんどないため、東京-大阪間を運転するよりも疲れない。ラフバラーというイギリス内地に住んでいながら、パリまで昼間のドライブで到着するのである。

 イギリス側の高速道路はほとんどが無料で、フランス側の有料区間も20ユーロほどである。パリまで飛行機、電車、車と当たり前のように選択肢が広がり、二人以上なら車移動が最も経済的となる。

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2019年6月21日 (金)

イギリス滞在(11)

 イギリスは島国なので、ヨーロッパ大陸に車で渡るにはカーフェリーかと思っていたら大間違いだった。今年で開通25周年となるユーロトンネルを利用するのである。

 もちろんカーフェリーもあるようなものの、圧倒的にユーロトンネルの利用が多い。トンネルの利用というのは、トンネルを走るのではなく、車ごと列車に乗って大陸に渡るのである。

 イギリスのフォークストーンからフランスのカレーまで、約30分の乗車で大陸に渡ることができる。利用方法も簡単で、チケットをネットで予約し、指定された時間までに駅に到着すればよい。早く到着すれば、その時に乗ることができる便に変更もできる。駅へは高速道路から続いており、迷うこともない。面白いのは、国境を渡るため、乗車前にイギリス側とフランス側で2回のパスポートチェックがあることである。もちろん、パスポートを持っていないと乗車できないことになる。係員の指示に従って駅まで走ると、二階建ての貨物列車が待ち構えており、後部の入口から車を降りることなくそのまま乗り込む。連結された電車の車両内を徐行して行く経験は、日本では決して体験できない。

 カレー到着まで、車から降りてトイレに行けるものの、基本は車に乗車したままとなる。列車の構造が、車を運ぶためだけになっているのである。

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2019年6月20日 (木)

イギリス滞在(10)

 中古車を購入した日が休日だと、保険屋が閉まっているので運転できない。日本の自賠責保険制度がないのである。

 しかし、保険は全て任意かというとそうではない。対人対物賠償が強制保険になっている。

 その強制保険の内容は、対人補償無制限、対物補償2千万ポンドとなっている。対人や物損は徹底した補償内容だ。保険自体は3種類あり、自動車総合保険、対人対物賠償及び火災盗難、そして対人対物賠償となっている。3種類に共通して、対人対物補償内容が同じなのである。更に日本と違うところは、保険会社や住居地区、職業によって保険料が異なるのである。特に外国人で国際免許証を使用していると、保険料が高くなる。

 あと、年間走行距離とイギリス国内か欧州全域かによっても異なる。イギリスからユーロトンネルを利用して大陸に渡れるため、走行地域は欧州全域にしている方がよい。

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2019年6月19日 (水)

イギリス滞在(9)

 自動車の販売価格は、日本より若干高いようである。中古車の価格が日本の中古欧州車と同程度なので、こちらで外車に乗ると思えば同じ価格と思ってもよい。

 メータの速度表示や走行距離表示は、すべてマイル単位になっていることに注意しないといけない。ただし、速度計にはkm/h表示の数値が小さく併記されている。

 新車はリースで買えるものの、契約年が2年以上が基本のため、1年の滞在では新車をリースで購入できない。したがって、中古車の購入となる。中古車屋は街中に数件あり、程度がひどいものは置いていないので、気に入ったのを選べばよい。日本の車検ほど厳しくはないが、年に1度は検査があり、ブレーキパッドの残量やオイル類はチェックされている。エンジンオイルは購入時に交換してくれるようである。購入はクレジットカードで、車両代と自動車税を支払えばよい。免許証やパスポートのチェックは特になく、家を借りるような苦労は一切ない。

 ナンバープレートは車種や年式を表しているため、変更はなくそのまま使用する。日本との違いは、自動車保険を自己責任で契約しないといけないことである。

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2019年6月18日 (火)

イギリス滞在(8)

 こちらの自家用車は、圧倒的に2000ccまでの2ボックス車が多い。メーカーは欧州メーカーがメジャーで、日本車はホンダ、ニッサン、トヨタ、そして韓国のヒュンダイがチラホラというところだ。

 日本ではミニバンやSUVが主流になっていることに対し、欧州ではイギリスに限らず2ボックスが一般家庭の主流である。これは燃費や税金を考えて、自家用車は経済的なものがベストという嗜好の現れなのである。

 そのため、ほとんどがマニュアルミッション車だ。オートマティック車は高級車に限られ、自家用ではなく、法人名義の社用車になっている。そして経済的な思想は徹底しており、ミッションのギヤ比に明確に現れている。とにかく、ギヤ比が高いのである。低いギヤで引っ張って加速し、トップギヤで巡航して燃費を稼ごうという仕様のようだ。だから、このギヤ比に慣れていない日本人には、特に街中でのストップ&ゴーやりにくい。

 その代わり、高速道路の巡航は快適である。大衆2ボックス車でありながら、本領を発揮する気持ち良い走りが120km/hを超えるあたりからなのだ。

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2019年6月17日 (月)

イギリス滞在(7)

 イギリスに来て、そろそろ3か月経つところである。6月中は、生活面でこちらに来て気付いたことを書いていこう。

 まず、一番感じるのは、天候の違いである。6月になっても寒いのだ。

 現地の方は、こちらに梅雨はないと言う。しかし、6月になってから、ほとんど毎日雨が降る。日本との違いは、湿度の違いが湿気る感じはない。しかし、日本では梅雨時は夏服に衣替えしている頃なのに、イギリスでは冬用のシャツを着ていないと寒い。

 晴れると日差しが強く、日光に当たると暑いものの日陰は寒いのである。去年から滞在している日本人によると、冬はとても寒いそうだ。これから夏になってどう感じるのか楽しみである。

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2019年6月16日 (日)

自動運転のためのセンサシステム入門(77)

 そのため、当面の自動運転システムには、自動運転中にドライバが前方を監視しなかったり居眠りをしていないかを監視するドライバモニタが必要になる。このドライバモニタは、ドライバを監視するカメラの画像を解析してドライバの眼の開閉を検知するものが考えられている。車載カメラの画像処理技術は、外界認識に使われるだけでなく、ドライバの状態を解析することにも使われるのである。また、iPhoneの個人認証が赤外センサで行われているように、LiDARのような機構でドライバの姿勢を検知するシステムも考えられている。やはり、LiDARの認識技術が、外界認識だけでなくドライバの状態解析にも使われるのである。

 このように、カメラの画像処理技術やLiDARの認識技術の応用例は広く、センサフュージョン技術も普及してない状況なので、少しでも多くの技術者に開発に参加してもらいたいと思っている。そのため、この記事が、少しでも多くの方に興味を持ってもらって開発に参加するための助けとなることになることを願う次第である。

 以上、77回に渡って続けてきた「自動運転のためのセンサシステム入門」はこれにて終了する。

 

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2019年6月15日 (土)

自動運転のためのセンサシステム入門(76)

 以上、自動運転のための外界センシング用各センサ技術を紹介し、一種類のセンサだけでは十分に外界を認識できないことがわかった思う。複数種類、複数個のセンサを用いるときは、ソフトウエア的にフュージョンしなければならないことも理解できたと思う。

 また、今後、自動運転レベルを上げて一般道まで自動運転を広げて行こうとすると、カメラとLiDARが本命となり、これらのセンサフュージョンが有望であるという筆者の考えもわかっていただけたのではないかと思う。更に、今後はカメラとLiDARのセンサフュージョンに加えて、V2Xやダイナミックマップも利用して自動運転のレベルを上げて行くと思われる。

 しかし、人間並みの外界認識能力のある自動運転システムが普及するのは、まだ時間がかかりそうである。当面の間は、自動運転レベル1の運転システムが普及し、高速道路や自動車専用道路で自動運転レベル2を利用し、一部のインフラ設備が整った区間で自動運転レベル3が登場するという状況と思われる。

 このような自動運転の状況下では、自動運転システムが想定していない道路状況になったり、自動運転システムが故障した場合、ドライバが自動運転に代わって運転(テイクオーバー)しなければならなくなる。これは、自動運転中といえども、レベル2ならドライバは自分が運転しているときのように走行環境を監視しなければならないし、レベル3でもシステムが故障のサインを出さないかを注意しておかなければならないということである。つまり、ドライバは、自動運転中でも居眠りはできないということである。

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2019年6月14日 (金)

自動運転のためのセンサシステム入門(75)

 三次元地図とは、従来の平面的な地図情報に対して、各車線やガードレール、道路標識、停止車線、横断歩道などのさまざまな情報を、正確な位置で記録した三次元情報も含めた立体的な地図である。これらの情報がないと、自動運転車の安全で正確な制御が困難となる。

 この三次元地図をベースとして、動的に変化する道路上での事故や工事情報、交通規制等の動的に変化する情報を更新可能としたものがダイナミックマップである。ダイナミックマップは、情報の更新頻度に応じ、静的情報、準静的情報、準動的情報、動的情報の4層に分類された情報が統合されている。

 4層構造の静的情報とは、道路や道路上の構造物、車線情報、路面情報、長期間の規制情報等、1カ月程度で更新される情報である。準静的情報とは、道路工事やイベントなどによる交通規制、広域気象情報、渋滞予測等、1時間以内に更新される情報である。準動的情報とは、実際の渋滞状況や一時的な走行規制、落下物や故障車、気象情報等、1分以内で更新される情報である。そして、動的情報とは、V2X通信で交換される情報や信号情報、交差点内の歩行者や自転車情報、交差点直進車情報等、1秒単位での更新される情報である。

 特に動的情報は、外界センシングに近い情報が得られ、自律センサとの整合性を取るためにもフュージョン化の可能性がある。ダイナミックマップは日本だけの取組ではなく、国際標準化と並行して開発が進められている。

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2019年6月13日 (木)

自動運転のためのセンサシステム入門(74)

 これまで、自動運転のため外界認識センサとして、電波レーダ、LiDAR、ステレオカメラ、単眼カメラ、超音波センサ技術の特徴を述べ、レベル3以上の自動運転のセンサの本命としてカメラとLiDARを取り上げ、車載カメラの認識手法とLiDARによるによる認識技術の一例を紹介した。そして、今後に期待できるカメラとLiDARのセンサフュージョンについても説明した。

 今後の自動運転用の外界センシングを展望すると、各センサの性能向上はもちろんのこと、まず、自律センサのセンサフュージョンにより全周囲センシングを目指すものと思われる。それはカメラとLiDARだけでなく、現在でも一部の高級車が実施しているような、電波レーダや超音波センサ等、適材を組み合わされた形になるだろう。

 また、自律センサとインフラセンサで述べた、車々間通信、路車間通信、歩車間通信等のV2X技術と自律センサが組み合わされたり、フュージョン化されたりするはずである。これにより、見える所だけではなく、建物や物陰の見えない所のセンシングも行えるようになるだろう。

 そして、最終的には地図情報との組み合わせが重要となる。既に、LiDARによる自動走行ではSLAMが用いられ、地図情報と組み合わされているといえなくはない。今後は、LiDARが使う地図だけではなく、ドライバがカーナビの地図を見て走行するような自動運転システムが利用して役に立つ地図が必要となる。その地図技術で注目されているのが、三次元地図とダイナミック・マップである。

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2019年6月12日 (水)

自動運転のためのセンサシステム入門(73)

 例えば、走行レーンと追越レーンの2車線がある道路で、自車が走行レーンを走行し、先行車が追越レーンから自車の走行レーンにレーンチェンジする状況を考えてみよう。車載カメラは前方の先行車と2車線とも認識し、LiDARも先行車を認識して確実に距離計測ができているとする。

 先行車が追越レーンを走行している状況では、R1、R2、R3とも値は小さくRp値も小さな値を取る。徐々に先行車が走行レーンにレーンチェンジして来ると、それに伴いR1、R2、R3の値は大きくなりRpも大きくなって行く。そして、先行車が走行レーンに完全に入り、自車と同一レーン内で先行する状態になると、Rpは他のR1、R2、R3よりも大きな値へ大きく変化する。

 これは、走行状態を免疫ネットワークの値で表現したことになる。つまり、先行車の車両認識と距離計測、そして車線認識とも信頼度が高く、かつ先行車の他レーンから自車レーンへのレーンチェンジが、ネットワーク安定度(Rpの値)の観測だけで理解することができるのである。このように、連合型センサフュージョンを適用すると、シンプルな形で複雑な状況を理解することができ、システムへの実装が容易になるのである。

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2019年6月11日 (火)

自動運転のためのセンサシステム入門(72)

 ここで、環境に対するモジュールの認識状態とネットワークとの対応について考える。物理的に前方車両が存在するとき起こり得るのは前方車が自車線上に存在する場合と他車線上にいる場合の2通りだけになるものの、実環境下ではある認識モジュールが一時的に不認識となることも起きる。なぜなら、天候条件による車両不認識となったり、道路白線がかすれて車線が不認識になったり、前方車両のレーザ光の反射率が悪く検知できなかったりすることがあるからである。そのため、各モジュールについて認識あり(○)、認識なし(×)という8通りの場合も考慮して、16通りの場合について、ネットワークの理想的な出力を解釈することができる。

 以上から、得られたネットワークの信用度を用いて走行環境を解釈することができる。例えば、全ての信用度が高いとき同一車線上に車両が存在する、つまり先行車であると判断でき、先行車両信用度が小さいとき、他車線上に障害物が存在していると判断できる。また、自車線上に先行車がいるかどうかは、Rpの値を観測するだけで的確に判断することができる。

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2019年6月10日 (月)

自動運転のためのセンサシステム入門(71)

 R1、R2、R3の信用度の定義は上記のように、画像処理によって得た車両候補が、「車両として信用されている」度合い、「“前方車両と同一車線である”と信用されている」度合い、距離データが、「車両からのものであると信用されている」度合いである。

 ここでの免疫ネットワークによる診断融合での目的は、先行車か自車線上を走行しているか否かの判定をすることであるので、簡単のため先行車両信用度を

Rp = ( R1 + R2 ) × R3

と定義することができる。

 この信用度Rpの式は、カメラによる画像認識モジュールの信用度R1とLiDARによる距離計測モジュールの信用度R2の合計値に、車線認識モジュールの信用度R2を乗じた形としている。これによって、先行車両の認識度合いと自車線上にいることを強調することができる。

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2019年6月 9日 (日)

自動運転のためのセンサシステム入門(70)

(3)モジュール間テストT23、T32(車線認識と距離計測間テスト)

 LiDARが車両幅を捉えているときは、車両認識と車線認識間テストと同様、LiDARが計測した車両を示す矩形と車線間のオーバーラップ比率をテスト間とする。LiDARが車両幅を捉えられないときは、車線幅を既知として、LiDARで認識した車両が車線中央にいれば近似的に車線の両端が推定可能とする。この2点を結ぶ線分は”車両が主張する仮の道路セグメント”(仮セグメントと略す)である。仮セグメントを(2)と同様に画像面上に投影すると、垂直方向に長い領域RLになる。このRLの中に、真の仮セグメントが存在し、RLの両端と、実際の車線認識結果とが最も近くなる高さが、真の投影位置である。画像面上に水平な探索ラインを設置すると、このラインは車線の境界曲線と2点、領域RLの左右両端と2点の合計4点で交わる。4点のうち最左端と最右端の2点が成す線分長を1とし、4点が成す線分のうち重なる部分を正、それ以外を負として評価値を計算する。探索ラインを上下に移動させ、評価値が最大の高さを仮セグメントとする。この評価値が大きいほど、同一車線上に存在する可能性が高いとする。

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2019年6月 8日 (土)

自動運転のためのセンサシステム入門(69)

(2)モジュール間テストT13、T31(車両認識と距離計測間テスト)

 カメラによる車両認識モジュールで認識した車両を示す矩形と、LiDARによる距離計測モジュールで計測した車両を示す矩形を重ねることにより、車両認識と車両位置の信頼性がテストできる。LiDARが車両幅を確実に捉えていないときは、車両幅に関する知識が必要になる。このときは画像処理で認識した車両幅が、LiDARで得られた車両幅に存在する場合、その両端座標を画像面上に投影する。この領域と画像で得た車両領域との水平方向の重なり比を評価値とする。

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2019年6月 7日 (金)

自動運転のためのセンサシステム入門(68)

(1) モジュール間テストT12、T21(車両認識と車線認識間テスト)

 画像上で、車両と走行車線のパターンを照合することによって、車両認識モジュールで認識された車両候補が、先行車か否かを判定する。車両候補の下端と自車走行車線との位置関係によって評価値を決定する。評価値は、完全に自車走行車線上にある場合は1、完全に他車線にある場合は-1をとる。境界線をまたいでいる場合は、0.3-0.7= -0.4のように、1から-1の間の連続値をとる。これにより先行車の車線変更にも対応できる。なお自車両が車線をまたいでいるようなときは、自車線がない場合に相当しテスト値を0とする。

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2019年6月 6日 (木)

自動運転のためのセンサシステム入門(67)

 三つのモジュールが結合するネットワーク化の次は、モジュール同士のテストのやり方を決める。つまり、各モジュールの認識結果の整合性をめぐって、相互にテストをさせるのである。

 センサ同士のテストでは、使用している座標系も処理の特徴も異なっているので、認識結果の整合を取るには工夫がいる。しかし、センサ情報のモジュールとして次元を合わせているため、テスト方法は考えやすい。

 テスト値としては、モジュールが対象物体を認識しないときは0、認識したときは-1から1の間に定義する。モジュールが三つなので、モジュール間テストも以下の三つとなる。

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2019年6月 5日 (水)

自動運転のためのセンサシステム入門(66)

 免疫ネットワークよる分散診断モデルは、各ユニットを車載外観センサとみなすと、センサ情報間の関係を理解する連想的処理過程といえる。すなわち、免疫ネットワークモデルが連合型センサフュージョンの一例とみなすことができるのである。

 そこで、LiDARとカメラで得られる情報を、次の3つのモジュールとして定義するところから始める。
(1)画像処理による車両認識モジュール
(2)画像処理による走行車線認識モジュール
(3)LiDARによる距離計測モジュール

 モジュールとして定義したのは、センサで得られる情報の関係という点を考慮したためである。モジュールとしたことによって、センサ間の関係よりも同次元でモジュール間の関係を表現することができ、モデル化しやすくなる。

 これら三つのモジュールを使って、連想的処理過程で得られる走行環境認識の一例として、「先行車両を判定するように振る舞う」ネットワークを考えよう。各モジュールは状態変数として、信用度R1、R2、R3持つ。R1は車両認識モジュールM1の画像処理によって得た車両候補が、「車両として信用されている」度合いを、R3は距離計測モジュールM3のLiDARによって得た距離データが、「車両からのものであると信用されている」度合いを示す。車線認識モジュールM2は車両を検知することはできないが、他モジュールからの問い合わせに対して車線の位置関係の判定はできる。したがって、R2は車線認識モジュールM2で認識した車線が、「前方車両と同一車線である」と信用されている度合いであるとする。前回掲載した微分方程式のダイナミクスの定義においてユニットUiを上記のモジュールMiとする。

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自動運転のためのセンサシステム入門(66)

 免疫ネットワークよる分散診断モデルは、各ユニットを車載外観センサとみなすと、センサ情報間の関係を理解する連想的処理過程といえる。すなわち、免疫ネットワークモデルが連合型センサフュージョンの一例とみなすことができるのである。

 そこで、LiDARとカメラで得られる情報を、次の3つのモジュールとして定義するところから始める。
(1)画像処理による車両認識モジュール
(2)画像処理による走行車線認識モジュール
(3)LiDARによる距離計測モジュール

 モジュールとして定義したのは、センサで得られる情報の関係という点を考慮したためである。モジュールとしたことによって、センサ間の関係よりも同次元でモジュール間の関係を表現することができ、モデル化しやすくなる。

 これら三つのモジュールを使って、連想的処理過程で得られる走行環境認識の一例として、「先行車両を判定するように振る舞う」ネットワークを考えよう。各モジュールは状態変数として、信用度R1、R2、R3持つ。R1は車両認識モジュールM1の画像処理によって得た車両候補が、「車両として信用されている」度合いを、R3は距離計測モジュールM3のLiDARによって得た距離データが、「車両からのものであると信用されている」度合いを示す。車線認識モジュールM2は車両を検知することはできないが、他モジュールからの問い合わせに対して車線の位置関係の判定はできる。したがって、R2は車線認識モジュールM2で認識した車線が、「前方車両と同一車線である」と信用されている度合いであるとする。前回掲載した微分方程式のダイナミクスの定義においてユニットUiを上記のモジュールMiとする。

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2019年6月 4日 (火)

自動運転のためのセンサシステム入門(65)


 ヤーネが提唱した免疫ネットワークをモデル化したものに、免疫ネットワークによる診断モデルがある。これは各センサを免疫とみなし、相互に抑制・制御するものとして連合型センサフュージョンの一モデルともみなせる。

 免疫ネットワークによる診断とは、いくつかのセンサユニット(以下ユニット)が相互結合した分散診断モデルの一形態である。各ユニットは互いに他を独立にテストでき、ユニットUiがユニットUjをテストしたときの評価値Tijについて

Tij≦0:Uiが正常でUjが異常
Tij>0:Ui、Uj ともに正常
Tij不定:Uiが異常

とすると、この式は、ユニットUi が正常な場合、相手を正しく評価でき、ユニットUi が異常な場合なんらかの評価をするが、その値は正しいかどうか分からないことを示している。各々のユニットで単純に評価値を集計しただけでは、どのユニットが異常か判断はできない。このネットワークに次のような微分方程式でダイナミクスを与えることによって、どのユニットが異常であるかを検出できる。

d・ri(k)/d・k = ΣTijRj(k) + ΣTjiRj(k) - Σβ(Tij+1) - ri(k)
       = ΣTij(Rj(k)-β) + Σ(TjiRj(k)-β) - ri(k)
ここで、

Ri(k) = 1 / (1 + e^(-ri(k)))

である。Ri(k)は時刻kにおけるユニットUiの信用度、ri(k) はその中間変数、TijはUi がUjをテストした評価値、βは診断調整量であり診断の厳しさを表す。

 この微分方程式が意味するところは、ユニットが互いに相互診断をして行くので、時間の経過と共に式の値が変化して行き、ある値に収束して行く。このモデルのふるまいが、免疫ネットワークと同様なのである。

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2019年6月 3日 (月)

自動運転のためのセンサシステム入門(64)

 ヤーネは、抗体が抗原と同じたんぱく質構造を持つことから、自然界に存在する膨大な数の抗原上のエピトープが、個体自身が作り出した抗体分子上にも存在すると考えた。そして、抗体間のイデオトープとパラトープが反応することにより、Bリンパ球も含めた抗体間で巨大なネットワークを形成していると考えたのである。

 免疫ネットワーク説では、抗原、抗体、リンパ球の関係が次のように考えられている。まず、ある抗原が体内に侵入すると、その抗原は「鍵と鍵穴」の関係にある抗体を膜表面に持つリンパ球1を刺激し、侵入してきた抗原に結合する抗体を生産する。
次に、刺激されたリンパ球1はその抗原と同じ型のイデオトープも生成する。すると、そのイデオトープと「鍵と鍵穴」の関係にあるパラトープを持つ他のリンパ球2も刺激する。リンパ球1は、抗原の抗体を持っているため抗原と認識されリンパ球2を刺激し、リンパ球1を抑制する。

 また、リンパ球1に反応して抗原に対するイデオトープを持ったリンパ球3が出現したとしよう。リンパ球1はリンパ球3を抗原と認識するため、リンパ球1はリンパ球3を抑制する。このように、リンパ球の間にも刺激・抑制の相互作用が存在するとしたのである。つまり、免疫系は個々の抗体やリンパ球が独立に反応するのではなく、ネットワークシステムとして抗原を認識し抑制する並列分散処理システムと考えたのである。

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2019年6月 2日 (日)

自動運転のためのセンサシステム入門(63)

 外敵のウイルスの抗原の特徴を示す抗原決定基は、エピトープ(Epitope)と__呼ばれる部位を持っている。一方、免疫機能を担当するBリンパ球の膜表面には、抗原に反応するアンテナが多数組み込まれており、これが抗原結合部位であるパラトープ(Paratope)と呼ばれる抗原認識部位である。

 パラトープはエピトープと「鍵と鍵穴」のように特異的に反応することにより、抗原を認識し、分裂、分化し、抗体を産生することによって抗原を排除することができる。Tリンパ球にもBリンパ球と同じ様に、ある抗原に特異的に反応し、感染細胞を排除したりBリンパ球の抗体産生を調節したりする。また、抗体は抗原と同質のたんぱく質で合成されているため、抗体自身も抗原決定基を合わせ持っており抗原の特性を示す。この抗体がもつ抗原決定基はイディオトープ(Ideotope)と呼ばれている。

 人間の体内には、およそ1億種類以上の抗体が存在している。麻疹にかかって麻疹の抗体を得るのであれば、人間は1億回も病気にかからなければならなくなる。ところが、特殊なウイルス以外に対応する抗体は、病気にかからなくても自然と獲得することができる構造になっている。これは、普段食べる食べ物のタンパク質の構造を腸内で認識し、未知の外部のタンパク質構造を想定して数々の種類の抗体を生産する機構があるからと考えられている。また、免疫系は抗体が単にばらばらに体液中を浮遊して、抗原と反応しているという単純なものではなく、異なる種類の抗体間で相互に刺激・抑制しあっている複雑なシステムであることも明らかになっている。この抗体間の相互作用に対して、免疫学者のヤーネ(N.K.Jerne)は、免疫ネットワーク(イデオトープネットワーク)説を提案した。

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2019年6月 1日 (土)

自動運転のためのセンサシステム入門(62)

 麻疹から治った子供の血清中には、麻疹ウイルスとだけ結合する特殊なタンパク質が含まれるようになる。このタンパク質は免疫グロブリンと呼ばれるものであり、これが麻疹ウイルスにだけ結合する抗体である。

 免疫グロブリンを抗体と呼ぶとき、麻疹ウイルスは抗原と呼ばれ、「鍵と鍵穴」の関係は抗原・抗体反応とも呼ばれる。抗原は抗原決定基という、抗体が結合する「鍵」を持つ。抗原決定基は、複数の元素やアミノ酸で構成される複雑な立体構造で、まさしく「鍵」なのである。そして、この「鍵」と一致してカバーする構造を「鍵穴」たる抗体が持っているのである。

 なぜ一つのウイルスたる抗原に対して一つの抗体しかないかというと、抗体が対応する抗原の目印にしているからである。外敵のウイルスに対し、身体を守るためリンパ球が攻撃する目印が必要で、これがなければ何を攻撃すればわからないからである。目印なしで攻撃してしまうと、身体自身の細胞まで攻撃してしまうため、厳密に1種類の抗原には1種類の抗体が反応する仕組みになっている。

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