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2019年6月 2日 (日)

自動運転のためのセンサシステム入門(63)

 外敵のウイルスの抗原の特徴を示す抗原決定基は、エピトープ(Epitope)と__呼ばれる部位を持っている。一方、免疫機能を担当するBリンパ球の膜表面には、抗原に反応するアンテナが多数組み込まれており、これが抗原結合部位であるパラトープ(Paratope)と呼ばれる抗原認識部位である。

 パラトープはエピトープと「鍵と鍵穴」のように特異的に反応することにより、抗原を認識し、分裂、分化し、抗体を産生することによって抗原を排除することができる。Tリンパ球にもBリンパ球と同じ様に、ある抗原に特異的に反応し、感染細胞を排除したりBリンパ球の抗体産生を調節したりする。また、抗体は抗原と同質のたんぱく質で合成されているため、抗体自身も抗原決定基を合わせ持っており抗原の特性を示す。この抗体がもつ抗原決定基はイディオトープ(Ideotope)と呼ばれている。

 人間の体内には、およそ1億種類以上の抗体が存在している。麻疹にかかって麻疹の抗体を得るのであれば、人間は1億回も病気にかからなければならなくなる。ところが、特殊なウイルス以外に対応する抗体は、病気にかからなくても自然と獲得することができる構造になっている。これは、普段食べる食べ物のタンパク質の構造を腸内で認識し、未知の外部のタンパク質構造を想定して数々の種類の抗体を生産する機構があるからと考えられている。また、免疫系は抗体が単にばらばらに体液中を浮遊して、抗原と反応しているという単純なものではなく、異なる種類の抗体間で相互に刺激・抑制しあっている複雑なシステムであることも明らかになっている。この抗体間の相互作用に対して、免疫学者のヤーネ(N.K.Jerne)は、免疫ネットワーク(イデオトープネットワーク)説を提案した。

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