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2020年5月25日 (月)

CNNへの道のり(8)

 パーセプトロンの第一次ブームは去った。しかし、パーセプトロンが線形分離の問題しか解けないということではなかった。

 パーセプトロンの原形となったマカロックとピッツの形式ニューロンから、ニューロンモデルを多層にすれば非線形分離も可能なことがわかっていた。パーセプトロンにしても、複数の単純パーセプトロンを繋げばよいことは衆知のことだったのである。

 さらに、ミンスキー教授が「パーセプトロン」を出版した同年、イギリスの神経科学を研究者デビッド・マーが、小脳はパーセプトロンだという理論を発表していた。ちなみに、デビッド・マーは計算論的視覚論をまとめ、コンピューター・ビジョンの世界に多大な影響を与えた研究者である。残念ながら、1980年に35歳という若さで白血病のため没した。1982年、彼の理論が「ビジョン」という著書で発表され、大ヒットとなった。当時、コンピューター・ビジョンに携わる者は、必ず一度は「ビジョン」を熟読すべきであると言われていた。某大学で画像処理を研究しているときは、指導した学生全員に読んでもらっていた。なお、後に小脳のパーセプトロン説は実証されている。

 多層パーセプトロンが非線形分離も扱えることがわかっていて、単純パーセプトロンの線形分離しか扱えないことが指摘されただけでブームが去った理由は学習アルゴリズムにあった。勾配降下法は単純パーセプトロンではうまく働くものの、多層パーセプトロンでは収束せず、うまく働く多層パーセプトロンでの学習アルゴリズムが見いだせなかったからである。

 

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