統計分析の基本(10)
t分布には3種類あることがわかったと思う。実際の適用場面を考えてみよう。
適用例は、ドライビングシミュレータ上で車間距離警報が吹鳴してから、何秒後に回避操作を行うかの実験とする。比較する2条件は、通常運転時とナビ操作時とする。
実験のやり方はいろいろ考えられる。まず、n=1で何回も実験してデータを集めることに意味はあるだろうか。nは増やした方がよさそうなので、複数人で実験するとしよう。このとき、全員に通常運転とナビ操作時を実験(通常とナビ操作の順序はランダム)と、通常運転グループとナビ操作グループに分けて実験することが考えられる。すると、前者が対応のあるt検定ということになり、後者の場合にF検定を行う。そして、F分布に従っていれば対応がないt検定、従っていなければウェルチのt検定を行うことになる。
もちろん、これらのデータの分布をグラフ化したとき、ある値に集中した釣鐘型になっているという前提である。そして、この実験の結論は、通常運転時とナビ操作時での車間距離警報の反応には有意差があるかないかということになる。
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