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2020年8月31日 (月)

夏休みの雑談(21)

 今日で8月が終わるので、夏休みの雑談の最終回とする。最終回の話題は「天皇」について。

 仕事や研究で海外に行くようになるまで、僕は天皇について何も知らなかった。それは諸君も同じだと思うが、それまで天皇について何の公的な教育がなかったからである。

 親以上の世代は天皇を崇拝しており、写真を飾ったりしていたものの何故そうしているのかは教えられなかった。海外に行くようになると、次第に世界での日本人のアイデンティティーが求められていると感じるようになった。海外の方は天皇をエンペラーと呼び、今や世界にエンペラーは天皇しかいないと言っていた。敢えてもう一人付け加えるとすると、ローマ法王だそうだ。とある国際会議のとき、新ローマ法王がドイツから選ばれることになり、ドイツ人がずっと喜んでいたことが思い出される。エンペラーのいる国は特別だそうで、しかも日本のエンペラーは2680年も続いているのである(諸説あり)。これだけで、日本は歴史ある長命国家として世界で誇れることなのである。

 諸君も女系天皇を認めるかどうかという議論は聞いたことがあると思う。一つの家が先祖代々続くというのは、男系でなければならない。したがって、女系天皇が誕生すれば、それは天皇家の血筋が途絶え2680年続いている日本のエンペラーがいなくなる可能性の始まりを意味するという意見が本当かどうか考えなけれなならない。

 

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2020年8月30日 (日)

夏休みの雑談(20)

 毎週楽しみにしているTV番組の一つが、日曜劇場「半沢直樹」である。前作も見ていたので、帰国後に新シリーズが始まって良かったと思っている。

 今回はITベンチャーの買収劇や政府系航空会社の再建問題がテーマで、似たような出来事と対比すると面白い。大手企業の再建に政府が関わったのが、日本もアメリカも民主党政権下だった。

 次々と降りかかる難題に、半沢直樹が不屈の闘志で対応して行き、最後にこれでもかと締めくくりの台詞を決める。現実の会社でこんなことがあるのだろうか。次々と難題が降りかかるのは、日常茶飯事である。新製品開発や新しいプロジェクトで、何も問題なくスムーズに仕事が回ることはない。もし、そんな製品開発やプロジェクトがあれば、それは既知の問題を解いているだけなので売れるものにはならない。どんな商品、分野にもライバルがいて、ライバルに勝つために少しでも低コスト、新技術、高品質と頑張って開発するのである。だからスムーズには行かない。現実社会では、半沢直樹はいない。一人だけの活躍でうまく行くことは知れているのである。開発チーム全員が頑張っている。

 現実社会で違うことはもう一つ。それは最後の決め台詞を口に出して言う者はおらず、みんなわかっていても心の中で噛み締めるのである。

 

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2020年8月29日 (土)

夏休みの雑談(19)

 安倍首相が辞任を発表されたのはショックだった。そこまで体調が悪化するほど追い込まれていたのが悔やまれる。

 第一期の在任時はそうでもなかったのだが、第二期政権からは自分の考え方にピッタリとフィットする首相として、ずっと期待を持っていた。誰もが言い出せる動かなかった憲法改正に取り組まれようとしたり、北方領土や拉致問題に向かいつつ世界の国々と積極的に連携しようとされていた。

 世界的に見ても、抜群にうまく各国と付き合っている国のトップである。こんなトップはどこにもいない。国内のマスメディアが報道しないだけで、阿部首相は世界でNo.1ではなかっただろうか。国際舞台で、トランプ大統領がどんな人物か阿部首相に各国のトップが聞きに来たというのは有名な逸話である。これほどの政治家でも内政がいまいちだったのは、マスメディアや周りの政治家や官僚が足を引っ張っていたのではないかと思う。阿部首相は、世界一のIT国家を目指そうと断言したではないか。現在、潤っている国は、IT国家を目指して実践した国である。アメリカしかり。中国しかり。日本はトップがIT国家を目指そうと言っているのに、周りはいつまでもFAXや電話連絡を捨てずIT化しなかった。そして、いかにITができていないかは今回のコロナ騒動で暴露されたのである。

 これまで海外出張や滞在時、2600年以上の歴史を持つ天皇家と世界平和と安定を外交で成し遂げようとするトップのいる日本から来た研究者というのが心の支えだった。次の首相にも是非阿部流を継続して欲しい。

 

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2020年8月28日 (金)

夏休みの雑談(18)

 アメリカ発の人種差別問題は、正直自分の中では響いていなかった。しかし、大坂なおみ選手が抗議のため試合をボイコットすると言ったとき、反省した。

 人種問題は日本人に関係ないことはない。今やどの国でも多くの人種を抱えている状況で、誰もが考えるべき問題なのである。

 現人類はアフリカ大陸で発生した黒人が起源である。その黒人がヨーロッパに北上して、クロマニョン人と一部交わり白人ができた。その白人がユーラシア大陸を渡りアジア人ができた。アジア人は人類としては最先端といえる。だから、白人が黒人に差別意識を持つのはナンセンスである。人類の古参を差別するなら、アジア人に劣等感を持ってしかるべきである。日本ではTV放映が一般化してから、各種スポーツで黒人を見ることは当たり前になった。都会では実際にそれらスポーツ選手を直接見ることも多い。古くは、戦国時代に信長に仕えた黒人の弥助がいた。日本は黒人を受け入れていたと思う。

 イギリスにも黒人は多かった。アジア人も多かった。特に差別を見聞きしたことはなかった。アメリカで問題になることが多いのはなぜだろうか。

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2020年8月27日 (木)

夏休みの雑談(17)

 今日は戦争の話題。戦争の話題になると、たいていの日本人の大人は思考停止になるかネガティブな感情が先に立つようだが、諸君はまだそんなに毒されていないと思って取り上げてみた。

 戦争といっても、兵器で殺戮し合う戦争ではない。現代社会では、広義の意味の非常に多種の戦争が行われている。

 例えば、経済戦争という言葉は聞いたことがあるだろう。経済戦争は本来なら、戦時の経済政策に使われる言葉だが、日本では国家間の経済利害の対立に対して用いられる。経済戦争なら、諸君が卒業して企業に就職したとたんに巻き込まれる可能性は高い。だから、戦争の話題に触れてもしっかり自分で考えるようにして欲しい。現に、諸君は既に情報戦に巻き込まれている。若者に人気のとあるSNSを、アメリカが使用を禁止しようとしている話題は知っていると思う。利用者の個人情報が全てそのSNSの製造国に抜かれてしまう懸念があるからである。ここまでなら、情報戦には巻き込まれてはいない。しかし、最近、そのSNSが盛んにテレビでコマーシャルを流している。テレビ番組のワイドショーで、そのSNSを利用している女子高生の感想を放送している。諸君がこれら番組を見て何らかの感想を持ったとしたら、それは情報戦に巻き込まれているのである。

 某国では学校の初歩のITの授業で、学生に一斉に某国(日本)の某箇所にメールを出すのだとか。これはDoS攻撃の一種であり、既に情報戦を実勢しているのである。

 

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2020年8月26日 (水)

夏休みの雑談(16)

 SNSやYouTubeでいろんな著名人がいろんな意見を言っている。誰の意見を信じれば良いだろうか。

 僕が心掛けていることは、一人の意見を鵜呑みにしないことである。最低でも他の意見を言ってる著名人はいないか、一人しか言っていなかったら裏付けるデータがあるか、ということを調べるようにしている。

 それと、意見の種類も重要である。まず、過去のことを解説しているのか、将来のことを予想しているのかが重要だ。過去に起きたことを解説していて、裏付けデータもあり、他にも違う視点で同様のことを言っている別人のものがあれば参考にする。しかし、将来を予測した意見はあまり信用しない。未来のことは誰もわからないからである。学問は過去に起きた事実を、他の事実と照らし合わせて論理的に証明し解説しているから有用なのである。だから、将来予測が学問かというと難しく、有用かどうかはわからない。例えば、地震予測。長年踊らされているが、当たるのは地震到着数秒前の地震警報だけではないか。

 学問はまた疑うところから始まる。正しく勉強して信じた内容を、たまには疑ってみよう。

 

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2020年8月25日 (火)

夏休みの雑談(15)

 日本がIT導入に遅れている理由の一つにプログラムの取っつきにくさがあるかも知れない。諸君が初めてプログラムを学んだときのことを思い出して欲しい。

 プログラムを初めて見てどう思っただろうか。本学に入学して初めてプログラムに接したのなら、僕の授業で勉強した

printf("Hello, world! ¥n");

が最初のプログラムだったはずだ。

 これは英語である。英語ネイティブが初めてこのプログラムを見れば、Hello, World!と表示するプログラムだと誰でもわかる。なぜなら、英語だからである。つまり、プログラムとは、ある特殊な文法でコンピュータに英語で話しかけているのである。だから、プログラムを書くのは英語を書くことなのである。if then else, do while等、英語そのものである。英語が苦手なら、プログラムも苦手になるかも知れない。

 プログラム以外の科学技術は、たいてい日本語で勉強できる。英語以外の自国語でこんなに高度な科学技術を勉強できる国は日本だけである。多くの国では、英語で勉強しなければならない。したがって、英語が苦手だと理系全体が苦手ということになってしまう。英語をものにしよう!

 

 

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2020年8月24日 (月)

夏休みの雑談(14)

 日本企業はIT導入が遅れているという話を聞いたことがないだろうか。企業もさることながら、行政も遅れていることが指摘され始めた。

 もしかすると、日本そのものがIT導入に遅れているのかも知れない。なぜ先進国の日本だけがIT導入に遅れたのだろうか。

 ITをハードとソフトに分けて考えてみよう。ハードとはパソコンとか中身のCPUとかである。パソコンを製造販売する日本の企業は多い。ところが肝心のCPUはインテルやAMD等で、日本製のCPUはない。ソフトの方はどうだろうか。日本製のソフト(アプリケーション)は沢山ある。しかし、ほとんどが国内専用である。なぜなら日本語を使うからである。こちらも、OSはマイクロソフトやアップル製である。かつては、日本製のOSのTRONがあった。当時のMS-DOSをはるかに凌ぐ高性能で、初期のWindowsよりも優れていた。PCに組み込まれ教育用のPCの標準OSとなるはずだった。このTRONを潰したのはアメリカで、1989年、スーパー301条でTRONを「外国貿易障壁」と名指しで記載されたからである。当時、S社のS社長が日本製のOSは駄目だと啓蒙していたのを忘れらない。

 こうしてハードもソフトも心臓部に日本製のものはない。しかし、日本でIT導入が遅れているのは、このようにハードにもソフトにも日本製の心臓がないからではないと思う。

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2020年8月23日 (日)

夏休みの雑談(13)

 商品はニーズ指向かシーズ指向かに分かれる。自動車でも同様である。

 ニーズ指向とは顧客が望むものを製造販売するということで、シーズ指向とは新技術や高い技術の商品を製造販売し市場を開拓するものである。どの自動車会社がどちら指向かと思い浮かぶのではないだろうか。

 どちらが良いということはない。好みの問題である。ニーズ指向の会社がコンサバかと言えばそうではない。ユニクロやGUは顧客のニーズをつかみながらコンサバな感じはしない。ニーズ指向の自動車会社はコンサバな感じはするものの、顧客が新技術を望めば高い技術力を導入している。かつて、国内では2大メーカーが競っていた時代があった。そのときは明確にニーズ指向とシーズ指向に分かれていた。当時、ニーズ指向の会社の方はこう言っていた。「お客様が望まれる車を造っているのだから、わが社の車が売れるのは当然ですよ。」こうして、シーズ指向との会社の差は開いて行った。

 今や、テスラの資産総額は国内自動車会社全社を合計したものよりも巨額である。シーズ指向のテスタEVが市場を開拓した。元々、自動車が発明されたときはシーズ指向商品だった。それから100年の時を経て、シーズ指向商品になる時代になりつつかるのではないだろうか。

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2020年8月22日 (土)

夏休みの雑談(12)

 英語の話を続けるが、あの英文の中に「could」が使われていた。ネイティブは6歳児でもcouldを使うのである。

 couldはcanの過去形である。「できる」の過去形だから「できた」という意味ではない。

 例えば、若いときは速く泳げた、を英訳しよう。I could swim fast when young.と訳すと、「若いときに速く泳げてたら(良かった)」というニュアンスになってしまう。誤解されないように、I was able to swim when young.と書いた方がよい。こう言ってしまうと英語は難しいと思うかも知れない。しかし、couldはこんな意味で使うことが多い。だから、couldはこういうものだと覚えれば良いのである。単純に「できた」と言いたいときはbe able toの過去形を使えば良いのである。

 I couldn't drive a car. これをどう訳せば良いだろうか。ネイティブが言ったのなら「僕は車を運転することができなかった」ではなく、「僕はとても車なんか運転できない」ということになる。

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2020年8月21日 (金)

夏休みの雑談(11)

 英語がグローバル言語になったのは、日本語ほど使い方が難しくないからではないだろうか。日本語のように、助詞を一つ間違えるだけで意味合いが異なってくるような言語が世界言語になることはないだろう。

 英語と他のヨーロッパ言語を比べてみると、英語の簡単さがわかる。英語はドイツ語が基になって、フランス語が混じってできた言語と言われている。

 ドイツ語の文法はほぼ英語と同じで、それに加えて名詞に男性名詞と女性名詞がある。名詞を男女に分けるヨーロッパ言語は多く、それだででも英語は簡単といえる。フランス語は英語とは形容詞の順番が異なり、名詞の後ろに置いて形容する。幼児は母国語が名詞の前に形容詞を置くタイプが、後に置くタイプかを、本能で分類して受け入れるという話を聞いたことがある。多分、英語とフランス語はかなり違うのだろう。したがって、ドイツ語が基本でそれにフランス語の単語が加わったということだろうか。

 かつて、ウィリアム1世がイングランドで戴冠した時代、イングランド王室ではフランス語を使っていた。庶民は英語を使っており、そのため英語にフランス語が混じったといわれている。イギリスでは第二言語でフランス語を学ぶ方が多く、ドイツ語は人気がないようだ。ドイツ自体もイギリスでは人気がないように感じた。

 

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2020年8月20日 (木)

夏休みの雑談(10)

 昨日のアップした息子の宿題の英語を読んでどう思っただろうか?諸君には難しくはないと思うが、6歳の児童が読むレベルとしては意外だったのではないだろうか。

 イギリスに1年滞在して感じたことは、実は英語は日本語よりも早く覚えることができて使える言語ではないかということである。現に、息子が6年間も学んだ日本語より、たった1年間学んだ英語の方が流暢に話せている。

 例えば、英文法は日本語にないものが多く難しく感じるものの、それは文法として教わるから難しく感じるだけで、使う分には悩まなくても良いのではないだろうか。主語、動詞、目的語、補語の並び方は慣れだけで、現在形と過去形があったり、現在完了形等と習ったものの使い方は動詞を形容詞化する分詞形の一用法にしか思えない。だから、単語の意味さえ覚えれば、どんどん喋ることができる。それに比べて、日本語は難しい。まず、文字の種類が多い。英語はアルファベット26文字だけだ。そして、助詞がやっかい。英語には助詞がない。一番難しくしているのが、日本語は主語を言わいということである。英語は必ず主語があるので、誰がどこで言っても意味が同じで悩まなくて良い。日本語で主語を言わないのは、言わなくてもわかるから省略しているからである。しかし、それは日本人同士の感性でわかり合えているからで、いわゆる空気が読めるからである。外国人で日本語学習を難しくしているのは、単に言語だけではなく、場の空気も読んで主語を探さなければならないからである。英語は規則に従って言えば良く、誰にでもどんな時でも同じ言い方で良い。敬語も謙譲語もない。もちろん、相手に敬意を示したり丁寧に言う言い方はあるが、日本語的な細かい敬語はない。

 

 

 

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2020年8月19日 (水)

夏休みの雑談(9)

 イギリス滞在中のもう一つの関心事は、英語教育である。まったく英語を知らない息子が、1年でどれくらいしゃべるようになるかを英語教育のヒントにしようと思っていた。

 日本語もろくに話せない6歳の息子が現地のローカル小学校に入学し、先生が何を言っているか何もわからない状態が半年ほど続いた。そんな状態なので、毎日塗り絵をしていたようだ。

 半年経ってから、小学校で三者懇談会があったので面談の順番を待っている間、同級生と息子が英語で会話しているのを初めて聞いた。半年で子供同士の英会話はできるようになっていたようだ。家に帰ってから英語を話すことはなかったので、てっきりわからないままだと思っていたが、たどたどしい日本語よりも流暢なネイティブ発音の英語だった。そして、クリスマス前に持って帰って来た次の宿題の文章を見て驚いた。

NORTH POLE TIMES

Breaking News: Rudolph Saves Christmas

In the early hours of this morning a red-nosed reindeer saved Christmas, by leading Santa's sleigh on the foggiest Christmas Eve in fifty years. Santa very nearly cancelled delivering presents to children all over the world because it was too foggy to drive his sleigh. Luckily, Santa had the idea to ask young reindeer Rudolph if he could use his bright nose to guide the sleigh through the bad weather. Rudolph was happy to help and thanks to him all presents were delivered safely. Rudolph said; "All of the other reindeer used to laugh and call me names!" Rudolph the red-nosed reindeer, you'll go down in history!

 これが現地の6歳の小学生が読む英文なのである。これを読んでどう思っただろうか。英語は簡単で現にアメリカやイギリスなら子供でもしゃべっているという冗談を聞いたことがあるだろう。実は、英語は簡単なのではないだろうか。諸君は知らない単語さえ克服すれば良いはずである。

 

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2020年8月18日 (火)

夏休みの雑談(8)

 イギリスの清潔感で驚いたことをもう一つ。それは家庭の室内も土足で入ることである。

 イギリスの部屋はたいてい絨毯敷である。大学でも執務室は絨毯が多く、その絨毯敷に土足で入るのである。

 1年間借りた現地のアパートも絨毯敷だった。絨毯が敷かれていないのはトイレと一体になったバスルームだけだった。居間の絨毯は結構毛が長く、日本人の感覚では靴を脱ぎたくなるようなものだった。われわれ家族は当然玄関で靴を脱いで、室内は土禁で暮らしていた。アパートを借りるとき室内は清掃済みと聞いていたものの、家内はそれを信用せず、入居してすぐ洗浄液で拭くタイプの本格的なカーペットクリーナーをレンタルして徹底的に掃除したところ、洗浄液は真っ黒になり掃除後は見違えるようにきれいになった。清潔感に拘っているのではなく、室内の土足は感染病の見地から圧倒的に危険なのである。風邪やインフルエンザウイルスは、人の飛沫から空中をただようもののやがて地面や床に落ちる。そのため、人込みやトイレの地面や床はウイルスが積もっているのである。そこを踏みつけて家まで持って帰るため、室内の土禁は感染症予防の基本といえる。

 帰国前、アパートに次の入居者が見学に来た時、室内土禁を告げると快諾してくれて靴を脱ぎだした時が一番驚いた。日本人なら玄関で靴を脱いで脱いだ足を室内に入れるのだが、現地の方は玄関で靴を脱いてそのまま玄関(靴を置いている場所)にそのまま立ったのである。室内履きを勧めても、このままで大丈夫と室内に入って行った。なぜ土禁にするのか全く理解していなかったのである。イギリスでロックダウンしても新型コロナの感染が止まらなかったのは、こんなところも関係してるのではないだろう。

 

 

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2020年8月17日 (月)

夏休みの雑談(7)

 イギリス滞在がいよいよ終了する3月になって、滞在先の大学でも急に新型コロナ対策が始まった。対策の第一弾は一斉メールと、そこらじゅうに貼られたポスターだった。

 メールは現状を知らせるもので妥当なものだった。日本でも同様だったのではないだろうか。

 ポスターはドアノブに沢山ウイルスが付着し、そこから手を介してうつるから手を洗えというものだった。マスクを付けようというものはなかった。日本では3密を避けようとか、マスク着用を推奨するものではなかっただろうか。新型コロナが手を介してうつるというのは、世界中で認識されていたのだろう。マスクは日本の感染率の低さから世界中に流行っていたのだろうか。イギリスでまず手を洗えというポスターが作られたのはよくわかった。イギリスでは手を洗う習慣がないからである。もちろん、トイレの後は手を洗うが、食事の前に手は洗わない。洗わない手でパンやサンドイッチをつかんで食べていた。どんな高級レストランでもおしぼりは出ない。最初に手でパンをつかんで食べる。誰とでも握手して、そのまま食べる。公園の芝生にそのまま座る。立ってもお尻を払うことはない。これでは新型ウイルスが流行るわけだと思った。

 最近でこそイギリスでもマスクをしている状況がSNS等でわかった。今年の3月中は、マスクをしている姿を街中で見かけることはなかった。手を介してうつることと、マスクをして大声を出さなければ人にうつさないことを理解している国では、ひどい流行にならないと思うのだが。

 

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2020年8月16日 (日)

夏休みの雑談(6)

 昨年度のイギリス滞在時、研究外で一番の関心事はブレグジットの行方だった。あれだけ苦労して造り上げたEUを離脱しようというのだから、よほどのことである。

 一貫して言われていたことは、キャメロン前首相の失政である。すなわち、国民投票にかけたことが最大の失敗だったというわけだ。

 国民投票の結果、離脱と残留の差はわずかだった。その後、再投票すれば逆転するはずと言い続けられ、再投票されることはなかった。職業によって賛否は分かれていたようで、大学関係者はEUの研究プロジェクトが多かったせいか、ほとんどが残留派だった。冷静に考えれば、経済基盤の大きさを考えればEU残留だと思われるものの、大英帝国として独立したいのか離脱派はボリス・ジョンソンまで引っ張り出して最後まで頑張った。ジョンソン首相は日本なら議員にすらなれない経歴である。イギリスがこれほどまで頑張って離脱してアイデンティティーに拘ったことを考えると、日本の施策は情けなく思う。日本は未だに独立しているとは言い難い。

 

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2020年8月15日 (土)

夏休みの雑談(5)

 今年も今日8月15日が来た。去年はイギリスだったので例年ほど意識しなかったものの、やはり8月15日の朝は重く感じた。

 日本人にとって、日本人であることの意味を問い、普段以上に関係諸外国に思いを馳せる日である。当時のアメリカとソ連には文句の一つも言いたくなる日でもある。

 もし、日本が勝っていたらどうなっていただろうか。歴史に「もしも」はない。しかし、現代と歴史を認識する上で、この思考実験は無意味ではない。中国はどうなっていただろうか。朝鮮半島はどうなっていただろうか。そして、日本は今とは変わっていたのだろうか。日本は負けたが、当時の戦争の目的の一つだったアジアの開放は実現している。歴史は必然と言われ、誰が勝とうが大きな流れに従って運命のように歴史の本流は変わらないのではないだろうか。

 関東に住んでいれば容易に訪れることができるので、靖国神社への参拝をお勧めする。そして、是非、遊就館の展示室を観ていただきたい。

 

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2020年8月14日 (金)

夏休みの雑談(4)

 普段マスメディアで話題にならないことで、現在渡航可能なヨーロッパの国はどこがあるだろうか。7月から日本からの渡航可能な国が増えているのである。

 もちろん、それらの国々も新型コロナにより春にはロックダウンが行われていた。しかし、各国とも死亡率が減少してきたため、経済を回す方向に転換している。

 それでは渡航可能なヨーロッパの国を紹介しよう。まずは、フランス。入国時のPCR陰性証明書も必要なくPCR検査をされることもない。もちろん、14日間の自主隔離も必要ない。格安料金でガラガラのルーブルやオルセー美術館を見学できるのである。その代わり、マスク着用は義務付けられるようで、違反すれば罰金となり日本より厳しい。その他、同様な状況で、スペイン、ギリシャ、スイス等、フランス以外に10カ国が入国可能だ。ただし、日本への帰国時は14日間の自主隔離をしなければならないし、外務省の危険度はレベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)である。行ってはだめだ。

 また、今更ではるが、医療用マスクを使わない限り自分への感染予防効果はない。マスクの効果は、あくまでも自分が感染していた場合に他人に感染させないための対策である。だから、諸君は必ずマスクをしよう!

 

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2020年8月13日 (木)

夏休みの雑談(3)

 グローバルな時代、諸君は日本と海外諸国の関係をどの程度知っているのだろうか。特に近代以降の正しい歴史を知っておく必要がある。

 高校時代の歴史の授業で近代史以降は、入試直前となって授業が疎かになったこともあり十分に勉強していないのではないだろうか。高校の同窓会で社会の恩師の話を伺うと、教員も近代史の勉強は不十分と認識しており、自分でも再勉強していると仰られていた。

 アジア各国との関係は、社会人になると必ず必要になる。また、アメリカやヨーロッパ各国も重要である。特にアメリカは、遠く離れていながら日本に最も影響を与える国なので、アメリカ国内政治や情勢も知っておいた方が良いだろう。最低でも、共和党と民主党の2大政党があり、日本に有利なのは(現時点で)どちらの党だろうかということは勉強しておいて欲しい。ちなみに、第二次大戦下でアメリカは民主党だった。もし、共和党だったらどうなっていただろうか?

 先日、台湾の李登輝、元総裁が亡くなられ、日本から弔問に森元総理が訪問されたことはご存じだろうか。TVニュースではあまり報道されていないようで、これも現在のマスメディアが真実を伝えない一側面である。

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2020年8月12日 (水)

夏休みの雑談(2)

 報道は正しくないこともある。そもそも、正しい報道はあるのだろうか?

 TVにせよ新聞にせよ、カメラマンなり編集者なり記者なりの目で取材している。したがって、メディアで見聞きするものは、全て誰かの主観によるバイアスが入っていることを意識しなければならない。

 一見正しい内容に思えても、そのまま受け入れて良いのか一度は考えてみよう。例えば、高齢者の交通事故問題がニュース特集であがったとしよう。報道されたものは実際にあった事故なので、正しい内容に思える。ところが、だから高齢者は事故が多いとか、早く免許書を返納しましょうという主張が入ったとたんに偏見報道になってしまう。なぜなら、十代と高齢者とでは、圧倒的に十代の事故の方が多い。ほとんどの高齢者は、事故を意識して慎重に運転している。自主的に免許を返納する方もいる。

 メディアで報道されるものは正しくないので見る価値はない、とは言えない。しかし、そのまま受け入れないよう注意することだ。自分に関係のあるものは、自分の眼で確かめるのが一番である。これを「現地現物」という。社会人になって重要な判断をするときは、全て現場に自ら足を運んで実際に見聞きし現地人と議論してからにしよう。

 

 

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2020年8月11日 (火)

夏休みの雑談(1)

 今週は大学の事務所も閉まり学生諸君も入構禁止の夏休みなので、研究に関係のない雑談を登校日まで続ける。今日は新型コロナの話題。

 今年の卒業式が新型コロナの影響で開催されず、研究室だけの卒業証書授与式となったのは残念だった。そのとき卒業生と修了生に送った言葉は、自分の頭でちゃんと考えようということだった。

 あの時は無意味な買い占めが起こり、スーパーから食料品が消えた時だったので、デマや誤報道に迷わされず、理系の大学を卒業したのだから科学的な見地に立って自分の頭で考えて行動しようということだった。この思いはずっと変わらず、ずっと続いている新型コロナ関連の報道に疑問を持ち続けている。最近、連日の感染者増という報道が続いているが、真実は感染者増ではなくPCR陽性者増である。発症者も無症状者も全て含めた人数を感染者数として報道している。これは明らかに誤報である。PCRで陽性になるウイルス数は数個である。感染者として見たいなら、もっとしきい値を上げないと意味がないのではないだろうか。しかし、誤報でも社会は受け入れている。未知の恐怖の病気に対し、情報が欲しいという世論に答えている形になっている。世間の大数は思考停止に陥り、新型コロナは第二波となって猛威を振るっていると受け入れている。

 インフルエンザは人類が闘って来た長い歴史がある。新型コロナは昨年生まれたばかりの新種のウイルス病で、世界中に広がりパンデミックとなった。いくら日本の犠牲者が欧米より少ないといっても、予断は許されない。これまで通りしっかり対策しないといけない。しかし、思考停止になってはいけない。雰囲気で判断してもいけない。しっかり考えて行動しよう。

 

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2020年8月10日 (月)

ADAS用車載センサ(8)

 今後の実用化が望まれる方式として、アクティブとパッシブが融合したToFカメラ等がある。これは、レーザ光や赤外光をフラッシュで投光し、画像アレイ素子で受光して画素毎にToFで距離情報を得た距離画像を獲得するものである。

 得られた画像は距離情報だけでなく、受光レベルを明るさと見立てた画像情報も獲得している。そのため、従来の画像処理アルゴリズムが適用可能である。

 距離測定方法はToF方式だけではなく、距離によって投光ビームの位置が異なることを利用する三角測距方式もある。また、距離によって投光するパターンを変化させる構造化ライトフィールド方式等も研究されている。これらアクティブとパッシブが融合した方式は、パッシブ方式の高解像な空間解像度に加えアクティブ方式の信頼性が加わるため、今後の研究開発が望まれる。

 

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2020年8月 9日 (日)

ADAS用車載センサ(7)

 超音波センサはアクティブ・センサとして、セラミック圧電素子から20K~60KHzの超音波を発射し、同じセラミック圧電素子で超音波の反射音を受信する小型でシンプルな構造である。レーダー機能はなく、1センサで1方向のみの物体までの測距となる。

 距離測定原理はToF方式で、検出距離は最大5m程度である。超音波の反射が検出対象の条件となる。

 超音波センサの用途は、検出距離が短いこととサンプリングタイムが長いため、車速が低く長距離を検出する必要がない駐車時の周辺障害物出に用いる。電波レーダやLiDARに比べて安価なため、前後パンパーやボデーサイドに必要な個数を設定し、車両全周の障害物が検出可能となる。

 超音波センサの課題は、より近距離までの検出と、より長距離の検出になる。これら検出距離の改善ができると、きめの細かい駐車支援が可能となり、また新たな用途にも適用可能となる。

 

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2020年8月 8日 (土)

ADAS用車載センサ(6)

 パッシブ・センサのステレオカメラや単眼カメラは車室内搭載されるため、霧以外の対候性が確保されている。従来、白黒カメラが使われていたものの、信号機の青黄赤色信号検出のためカラーカメラも使われ始めた。

 距離測定原理は、ステレオカメラは左右に映るステレオペアの発見して視差を計測する三角測量方式である。単眼カメラでは、検出した対象物体を囲むバウンディングボックスの大きさと下端位置から対象物体までの距離を推定する。

 アクティブ・センサでは、検出対象が発射する電磁波が反射するものに限定されてしまう。しかし、パッシブ・センサは撮像されたものは全て検出対象となるため、より人間の視覚系に近いものとなる。撮像された対象物体の検出原理は、検出対象の特徴を検出することが基本となり、特徴の定義はサンプルデータから機械学習する。機械学習方法は、従来、画像の局所明るさ勾配(HOG)をベースとしAdaBoostによって対象物体を判定する方式が主流だった。最近の傾向は、ディープラーニングによって、サンプルデータの提示だけから対象物体を検出する手法になっている。

 ディープラーニングを実用化するときの課題は、ディープラーニングがブラックボックスのため、検出結果の信頼性をどのように担保するかである。対策としては、ブラックボックスの解消が王道と思われるが、アクティブ・センサと組み合わせたセンサフュージョンにより信頼性を確保することも考えられる。

 

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2020年8月 7日 (金)

ADAS用車載センサ(5)

 今後実用化が期待されているLiDARのスキャン方式は、レーザ光の周波数変調とスローライトを適用した方式である。車載LiDARは半導体レーザ発光ダイオード(LD)を使用し、レーザ媒質によっては周波数の変調が可能である。

 スローライトとは、光ファイバー内を反射しながら進行するレーザ光の反射角を進行方向に極限まで直角に近づけることにより、進行方向への伝搬速度(群速度)を極端に遅くした状態のことである。この状態でファイバーからレーザ光を屈折させる発射すると、レーザ光の波長によって屈折角が大きく変化するため、レーザ光を変調させて結果としてファンビーム化することができる。

 レーザ光の波長を変調させると、測距方式がToFではなくFMCWを利用することが可能となる。LiDARが電波レーダに置き換わった理由の一つに、電波レーダがFMCWで測距して相対速度も計算可能だったことがあり、LiDARがFMCWを使うことができるようになれば欠点が一つなくなることになる。よって、レーザ光を変調させ、スローライトでメカレスのファンビームを形成し、FMCWで測距できれば、LiDARの性能が電波レーダに迫ることになる。これに加えて、電波レーダより小型化して複数個車載し、車両全周囲をスキャンすることができれば、電波レーダを凌駕することも可能になるものと思われる。

 

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2020年8月 6日 (木)

ADAS用車載センサ(4)

 LiDARが自動運転時代を迎えて復活するためには、いくつかの課題がある。対候性はレーザ光の特性上このままとして、測距性能は電波レーダに迫る車間距離200mが必要である。

 もっとも改善が望まれる点はスキャン方式である。電波レーダが電子スキャンのため、LiDARもミラーを機械的に回してファンビームを作るのではなく、メカレス構造でスキャンする方式が望まれる。

 実用領域にあるメカレス方式は、MEMSミラー方式とフラッシュ方式である。MEMSミラーは厳密にはメカレスではないものの、メカ方式の騒音や耐久性は改善されている。フラッシュ方式はビームを一度に拡散発射するため、ビームを絞れず空間解像度が今までのファンビームより劣化する。また、測距性能が伸びず、24/26GHz帯域の周辺監視用電波レーダの代替に適しているものと思われる。そのため、当面はMEMSミラー方式の量産に期待したい。

 

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2020年8月 5日 (水)

ADAS用車載センサ(3)

 運転支援システム用に登場したLiDARは当時レーザレーダと呼ばれ、電波レーダがメジャーになる前の前方監視用センサとして、ACCに用いられていた。レーザ光は900nm前後の赤外線レーザである。

 距離計測原理は、送信パルス光を発射した時間から、対象物体に反射して受信するまでの時間を計測する飛行時間計測(ToF:Time of Flight)方式を使用する。方位角検出は、機械的に回転するポリゴンミラーで送信ビームを反射させてファンビーム化することによる。

 測距性能としては100m程度の車間距離計測が可能で電波レーダより劣るものの、レーザ光の反射率が高いものは計測可能である。また、細く絞ったビームをファンビーム化しているため空間解像度が高く、混雑した一般道路でも各自動車、二輪、歩行者を分離可能で、電波レーダを凌駕する。ただし、対候性では弱点があり、雨天時はレンズに雨滴が付くとビーム光路が乱れ、雪や霧では使用できない。

 対候性と測距離の優劣のため、現在では電波レーダが優勢ではある。しかし、方位角を広く取れ空間解像度が高いため、SLAMによる現在位置推定と複雑な一般道路での正確な外界認識が可能となり、レベル4以上の自動運転で復活するものと思われる。

 

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2020年8月 4日 (火)

ADAS用車載センサ(2)

 電波レーダは、前方監視用として77GHz帯のミリ波レーダ、周辺監視用として24/26GHz帯の準ミリ波レーダの2種類がある。前方監視用はACC用、周辺監視用は斜め後方の後続車接近警報用が主な用途だ。

 距離計測原理は、周波数変調するFMCW方式を使用し、対象物体までの距離だけでなく相対速度も同時に計測する。方位角検出は、フェイズドアレイによる電子スキャン方式である。

 測距性能としては200m以上の車間距離計測が可能で、前方監視用としては申し分ない。また、相対速度も計測できるため車間距離制御に優れ、高速道路で使用するACC用として理想的な距離センサといえる。対候性にも優れるとされ全天候性と思われるものの、降雪でレーダ搭載部が雪で覆われると送受信性能が劣化する。

 課題は空間解像度である。アンテナ数と配置を工夫しが高解像度化が望まれる。

 

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2020年8月 3日 (月)

ADAS用車載センサ(1)

 運転支援システムや自動運転システムの要となる距離・画像センサについて、現状と今後の動向を解説する。一般的に距離センサは電波や光を発射した反射派から距離情報を得るためアクティブ・センサとなり、画像センサは自ら発射するものはないのでパッシブ・センサといえる。

 ステレオ画像センサは距離センサであるものの、2つの画像だけから距離情報を計算するためパッシブ・センサである。しかし、距離センサの性格を有するため、アクティブ・センサの性質があるものとする。

 アクティブ・センサで実用化されているものは、電波レーダ、LiDAR、超音波センサである。アクティブ・センサの最大の目的は測距である。そのため、電波レーダは電波(主にミリ波帯域)を、LiDARはレーザ光(主に900nm前後の波長)を、超音波センサは超音波(主に40KHz)を発射する。電波か光か音波の違いによって、これら3センサの特徴が明確に決まる。

 

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2020年8月 2日 (日)

歩行者検出をCNNで(10)

 YOLO(You Only Look Once)は、ラスタースキャンなしで検出できることを強調した名称である。YOLOの基本原理は、画像を大まかに分割し、それぞれの分割した領域毎に物体検出するものである。

 分割サイズは、対象画像を7×7のグリッドとなる。この分割したグリッド毎に畳み込みとプーリング処理を行い特徴マップを得る。この特徴マップを全結合層に入力し、各グリッドでの物体カテゴリのスコアと物体を囲う矩形の位置、大きさ、信頼度を出力する。

 SSD(Single Shot Multi-Box Detector)は、YOLOのグリッドサイズが大きくスケール変化に弱いことに対し、スケール変化にロバストな検出法を提案した。基本原理は、各畳み込み層から物体矩形とカテゴリを出力させるものである。この方法で、入力層に近い層ではスケールの小さい物体を検出し、出力層に近い層ではスケールの大きい物体を検出する。このように、特徴マップの位置毎に物体矩形とカテゴリを出力するため、高速に検出対象の位置と認識結果を計算可能にした。

 YOLOはSSDが提案された後、Faster R-CNNやSSDの構造を取り込んで進化を続け、より高速で高精度な手法となっている。そのため、現時点では車載カメラで歩行者検出する深層学習用の手法として、YOLOの最新バージョン4が最適と思われる。諸君もCNNで物体認識を試したいときは、YOLOv4を使ってみることを勧める。「歩行者検出をCNNで」は今回で終わる。明日からは車載センサの解説をスタートする。

 

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2020年8月 1日 (土)

歩行者検出をCNNで(9)

 検出対象の位置も同時に検出する Faster R-CNN は、それまでの手法が検出対象位置を捜査する1段階目の Selective Search の代わりに、RPN(Region Proposal Network)を組み込んだのである。すなわち、R-CNN(Regions with Convolutional Neural Network)がSelective Searchで検出した候補領域をCNNに入力してたことに対し、Faster R-CNN はRPNを導入して計算コストを大幅に削減したのである。

 RPNでは、まず、画像全体に対して畳み込み処理を行い特徴マップを得る。そして、検出ウインドをラスタースキャンして物体検出を行う。

 RPNによる検出方法は、アンカーと呼ばれる物体の外接矩形を用いる。アンカーは対象物体の種類によって異なるため、検出したい全ての種類の個数のアンカーをアンカーボックスに準備する。これらアンカーを対象領域に当てはめ、物体さしさのスコアと座標位置を出力する。また、RPNで検出された領域は、並行して全結合ネットワークにも入力され、物体認識も行われる。このRPNにより、各種アンカーサイズの物体検出を可能とした。

 RPNはラスタースキャンの工程が残され、Selective Search の名残がある。これに対し、YOLOやSSDでは、ラスタースキャンを行わず、Single Shot で検出対象位置と認識を可能とした。

 

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