自動運転の課題対策(20)
相互結合ニューラルネットワークの学習は、トロッコ問題のような極限の状況だけで行われるのではなく、通常の使用時から学習すべきと思われる。したがって、通常の自車の交通ルールの順守の状況から、他交通の走行状況まで認識し、通常走行している環境の状況も相互結合ニューラルネットワークのパラメータ学習に用いる。
レベル5の自動運転車は、ドライバが操縦することを前提にしていないためステアリングやペダルがない。これは、ドライバの通常の運転時の倫理観を学習することができないということである。
そのため、いきなりレベル5にするのではなく、レベル1のドライバが積極的に操縦するところから始め、レベル1の使用状況で通常の運転時の倫理観を学習し、徐々に自動運転レベルをあげて行くと良いのではないだろうか。もちろん、レベル5固定の自動運転車は、それまで開発したときに学習した値を継承するという考え方もある。しかし、倫理観は利用者や利用地域で微妙に異なってくるため、常に学習できるような仕組みを備えている方が良いだろう。
以上のことから、ドライバが操縦しないレベルの自動運転車は、通常使用時に乗員の倫理観上の満足度をモニタリングできる仕組みが必要ではないかと思う。これは、乗員の生理指標の変化を非接触で検知するシステムが必要になるということである。
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