108つの煩悩(108)
108つの煩悩の最後、百八番目は、
十纏覆(じってんふく)
である。十纏と覆が組み合わさってできた合成語である。十の煩悩の十番目の覆を意味している。
覆とは、自己が犯した罪を隠すことである。罪を犯すことではなく、犯した罪を隠すことが煩悩なのである。人は常に罪を犯し、その罪を隠すためさらに苦しむのである。
108つの煩悩を一から視ることにより、人を自分を見つめ直すことができたと思う。人は、生まれながらにして、貪、瞋、癡、慢、疑、有身見、辺執見、邪見、見取見、戒禁取見の煩悩、見方を変えれば、慚、無愧、嫉、慳、悔、眠、掉挙、惘沈、忿、覆の煩悩に、欲界、色界、無色界で苦しむ。これら108の煩悩を克服することが仏教の修業である。
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