2018年1月18日 (木)

デトロイトモーターショーのEV

 デトロイトモーターショーで発表されたEVの動向を見てみよう。まずは、日産の新型リーフが2018FIPAグリーンカーオブザイヤーを受賞したことが発表された。

 この賞はアメリカ自動車ジャーナリスト協会(FIPA)が毎年発表しているもので、2017年にアメリカでデビューした新型車の中から最も優れた環境性能車を選出するものである。最終選考に残った10車種から選ばれたそうだ。

 日産は2021年にインフィニティ・ブランドから新型EVを投入するということも発表した。同社は、2025年、世界販売台数の半分がEVになると見ている。BMWはi8(EVではなくハイブリッド)に最新の運転支援システムを搭載する。EVと自動運転は相性が良いので、ハイブリッドも含めてEVに自動運転機能やADASが装備されるのは当たり前になりそうだ。また、中国の広州汽車集団(GACモーター)は、EVのコンセプトSUV Enverge を発表した。同社はここ数年、連続してデトロイトモーターショーに出展を続け、北米市場へのデビューをうかがっている。このSUVは北米専用に開発しているもので、モーター出力は240hpとし、バッテリー容量71kwhで一回の充電で最大595kmを走行可能としている。

 肝心のデトロイト本家フォードは、2020年に新型SUVをEVで投入する。その名もマッハ1と、往年のムスタングの高性能モデルに付けられた名前を復活させる。

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2018年1月17日 (水)

CES2018の自動運転車で共通した特徴

 CES2018では各社から自動運転の発表が盛んに行われた。トヨタもプラットフォーム3.0という自動運転車を発表している。

 自動運転車に共通していることは、どれもが外界センサーにライダーを採用していることである。しかも、グーグルの自動運転で有名になった、天井に設置した巨大なベロダインではないのである。

 あの巨大なベロダインは7万5千ドルだった。それが今では、ライダーのビーム数は落としているものの、ベロダインは4千ドルでライダーを販売している。そして、ほとんどのライダーのベンチャー企業は、ソリッドステートタイプを100ドル以下で量産すると発表している。CESの見学に現れたグーグルの自動運転を立ち上げたクリス・ウルムソンに、IEEE Spectrum がインタビューしたところ、彼はライダーは過小評価されてきていたところ、急に大勢が取り組み始めたと語っている。本ブログでも紹介した LeddarTech もCESに出品しており、ライバルの Innoviz も展示していた。Innoviz はMEMSミラーによるスキャン方式で、スキャン角が70°もある。例えば、このライダーを使えば、バンパーのコーナーやグリルに複数のライダーを組込み全周を検知することが可能となる。

 トヨタのプラットフォーム3.0は8つのライダーが搭載され、その内の4つは本ブログでも紹介した22歳のエンジニアが企業したルミナー社のものである。時代は変わった。

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2018年1月16日 (火)

デトロイトモーターショー

 CESの次は、デトロイトモーターショーが始まる。今週はここで紹介された新型車を見て行こう。

 開幕に当たって、GMが記者会見でバーバラCEOが自動運転の発表を行った。何と、ステアリングもペダルない自動運転車クルーズAVを開発しているというのだ。

 クルーズAVの名前は、GMの自動運転の開発を行う子会社の名前クルーズ・オートメーションにちなんだものと思われる。車両本体は新規開発ではなく、シボレー・ボルトEVをベースに改造したもので、21基のレーダーと16台のカメラを搭載したものである。GMは全米での展開を視野に入れ、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)と協議を始めており、サンフランシスコやアリゾナ州などで既に200台以上の走行実験も実施している。2019年にはクルーズAVの公道走行実験も予定しており、実験ではなく商品化との声も聞こえる。

 GMはライダーの会社も子会社化しており、自動運転の遅れを一気に挽回しそうな勢いである。ドライバレスの自動運転サービスの第一号はGMになるのだろうか。

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2018年1月 6日 (土)

レベル4の自動運転サービスがオランダでスタート

 今年、2016年に設立されたオランダのベンチャー企業アンバーが、レベル4の自動運転サービスを始める。アンバーはオランダのアイントホーフェン工科大学の卒業生が起業した会社だ。

 アンバーはサービスとしてのモビリティを実践する企業であり、早速自動運転をサービスに使おうとしている。自動運転サービスの対象は、乗員や荷物の自動配送ではなく、シェアリング車が自分で再配置するサービスに使うことである。

 アンバーでは既にカーシェアリングサービスを始めており、使っている車両はBMWのi3の6台である。これを近隣企業の従業員45名が1時間12ユーロで利用している。ユーザが希望する一番近いステーションに乗り捨て可能な方式としており利便性が高い。これまで、シェアリング車の再配置は学生がアルバイトで移動させていた。これを自動化しようとしているのである。ステーションはバス道沿いにあるため、自動走行区間もバス路線となり、データ化は比較的容易である。自動走行は深夜の交通が少ないときに行われ、移動速度を極低速として衝突時のリスクを減らしている。外界認識センサはステレオカメラ、レーダ、超音波を使用し、天井の上を回転するベロダインのライダーは使っていないため、一見では自動走行車とはわからない。ステレオカメラ等は車両の外観を改造しなくても装着可能なため、車両の改造費が安く済むメリットがある。

 今後、この車両を500台まで増やし、カーシェアリング事業を拡大予定である。深夜に低速でステーションまで整備された路線を移動するなら、レベル4の自動運転が実現する可能性は高いといえる。

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2018年1月 1日 (月)

2018年予測

 新年あけましておめでとうございます。今年も新技術や学生諸君に役に立つことを紹介していく予定なので、よろしくお願いします。

 2018年はどんな年になるだろうか。予測するよりは、こんな年にしたいという諸君が明確な意思を持つことが最も重要である。

 予測するまでもなく、確定していることをいくつか。今年は東京モーターショーがないので、国内は改造車が中心となる東京オートサロンを楽しもう。1月12~14日に幕張メッセで開催され、ちょうど土日がセンター試験で大学には来れないから見学しやすいはずだ。国際的には、1月のデトロイトモーターショー、3月のジュネーブモーターショー、10月のパリモーターショーとなる。デトロイトとジュネーブは昨年の東京モーターショーに近いので、秋のパリが面白いだろう。個人的に注目している車種は、今年日本発売が期待されているアルファロメオ・ステルヴィオとジャガー・Eペースである。ステルヴィオはアルファロメオ初のSUV、Eペースはジャガー初のコンパクトSUVと、世界的SUV人気のトレンドにのる新型車である。

 また、今年も自動運転、EV、生体計測、AI、量子コンピュータ、ロボット、ドローン、動物のサイボーグ化等の話題は事欠かないはずだ。自分の研究テーマだけでなく、幅広く調べて行こう!

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2017年12月31日 (日)

CASEのE

 CASEのEは電気自動車化である。Electrification は電化という意味なので、EVだけではなくハイブリッド化も含まれる。

 電気自動車の課題はこれまで何度か紹介してきた。電気自動車が増えても地球がきれいになることはないし、むしろ環境負荷的には悪化するのである。

 それでも電化を進める理由は、脱化石燃料を目指すことしか考えれれない。都会の車両が集中するところに限った環境改善は期待できる。しかし、地球規模で環境が改善されないということは、今後許されないだろう。それでも電気自動車が望まれるのは、ガソリンやディーゼル燃料に依存しなくても良くなる可能性を追求したいということである。すなわち、脱中東という意識が欧米では強いといえる。しかし、水力発電や原子力発電で電力を賄えば、化石燃料が不要になるかというとそんなことはあり得ない。なぜなら、化石燃料に依存しているのは自動車の液体燃料だけではなく、ナフサも化石燃料に依存しているからである。ナフサとはプラスチックの原料であり、自動車での使用比率も高まりつつあるプラスチックのない現代文明は考えられない。つまり、脱中東はあり得ないのである。

 電気自動車化は政治主体で進んでいる傾向がある。政治動向の元は国民意識であり、電気自動車にすれば全てが解決するという非論理的世論が変わらない限り電気自動車化は推進されるだろう。

 2017年の技術紹介はこれが最後となる。2018年も最新の研究開発に熱くなろう。それでは、良いお年を!

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2017年12月29日 (金)

Aの最重要課題

 CASEのAの技術開発課題は何だろうか。自動運転の課題は、技術開発だけでなく制度や法整備等多岐に渡る。

 時代によって最大の課題は変化している。以前は走行環境を認識するセンサ技術が最大の課題だった。

 コンピュータビジョンやライダー技術が進展し、センサ技術は最大の課題ではなくなりつつある。そして、自動運転の早期実用化が望まれ始めると、人間のドライバとの関りが最大の課題となる。当研究室のテーマでもある、緊急時の自動運転から手動運転への切り替え(テイクオーバー)は厄介な問題である。自動車の運転というのは、交通ルールに従って誰もが同じ行動をすることが前提になっている。ところが、テイクオーバーの実験をすると、ドライバによって対応が異なるのである。交通ルールに従ったいろいろな対応なら問題はない。緊急時で切迫した状況のため、必ずしも現行の交通ルールに従った運転ができないこともある。

 テイクオーバーの課題は単に技術的にどう対処するだけでは済まない。手動運転という領域に入るため、ルール造りも必要となる。

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2017年12月28日 (木)

CASEのA

 CASEのAは自動運転である。ダイムラーが公表したとき、このAは Autonomos driving と言っていたことに注意しよう。

 アメリカ発の自動運転は、Automated driving である。Autonomous driving は正確には、自動運転ではなく自律運転である。

 Autonomousな自律運転とは、車両に搭載したセンサだけで周辺の障害物を検出しながら車載カメラで道路領域を認識し、インフラ情報に頼らず自律して走行するということである。一方、Automatedな自動運転とは、方式には限らず使える仕組みは適宜使って自動車の走行を自動化するということである。そのため、一般的には Automated を使う。ダイムラー社が Automated を使わなかったのは、インフラ情報があてにできない欧州事情があったからだろう。要は、誰の力も借りなくても自社だけでできる自動運転を選んだということなのである。

 自動運転は自律走行だけでは限界があるため、インフラ情報は必ず使うようになる。ダイムラーもインフラ情報を否定しているのではなく、わが社は自律センシングを重要視しているといっているのである。

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2017年12月27日 (水)

Cの最重要課題

 CASEのCの技術開発課題は何だろうか。5G通信が前提とか、通信フォーマットやコンテンツ等いろいろある。

 最大の課題は、セキュリティである。自動車の通信で最悪のシナリオは、車両制御部が乗っ取られることだからだ。

 現在の自動車の車両制御は、全てCANなる車両内部の通信ネットワークに繋がっている。CANを通して、ステアリング操舵角情報や、アクセル開度等が各コンピュータに届けられるのである。これまでは外部との通信ネットワークを介してCANに入り込むということは、基本的にできないことだった。CANと外部ネットワークを完全に切り離すのが常識だからである。ところが、自動運転時代になるとそうも行かなくなる。ダイナミック・マップといって、地図情報を動的に通信で更新するとき、セキュリティが破られて嘘のデータが紛れると、CANがおかしくなくても間違ったルートに制御される危険性が発生する。また、自動運転のソフトウエアを外部ネットワークからダウンロード更新するようになれば、間違ったソフトがインストールされる危険性もあるからである。

 これからはCANがハッキングされなくても、車両制御をハッキングすることが可能な時代になるのである。したがって、自動車技術者も常に通信に対するセキュリティに関心を払わなければならない。

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2017年12月26日 (火)

CASEのC

 CASEは語呂のためこの順番なのだろうか。もしかすると、重要な順かも知れない。

 少なくとも、本ブログ著者はこの順序が重要と考えている。理由はこうである。

 現在の自動車にはほとんどナビゲーションシステムが搭載されており、絶えずGNSS情報を受信している。更に、ETCは双方向通信であり、繋がることが当たり前になりつつある。つまりコネクテッドのCである。Cは自動運転に欠かせない技術になる。なぜなら、動的地図情報の送受信を始めとする外部との通信が、今後の自動運転の要になるからである。そして、Cはカーシェアリングに欠かせない。会員情報の確認から、現在位置の管理等、Cがベースとなるのである。また、電気自動車は充電ステーション情報が必要なため、Cが欠かせないのである。

 逆に、CASEが付いていない自動車に一つだけ付けるとしたら、何が最も役に立ちそうか考えてみると面白い。Cは自動車だけでなく、現代生活に欠かせない技術といえる。

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