2017年9月18日 (月)

ダイムラーの電気トラック

 ダイムラーが、世界初のフル電気トラックをニューヨークで発表した。ダイムラーといっても、発表されたのは三菱ふそう製中型トラック「Fuso eCanter」である。

 電気トラックの特徴は、先ず、静かなことである。歩行者がトラックの接近がわからないため、接近音の設定が必要である。

 テスラモーターズが、来月電動トラックを発表するためそれを制した形となる。しかし、テスラモーターズは加速を売りにするものと思われ、ダイムラーとは最初からセールスポイントは違うだろう。eCanterの最高速は90km/hで、4トンまでの積載物を運ぶことができる。走行距離は100~130kmで、850VのDC充電器を使用すると、1時間で80%充電が可能だ。航続距離から市内でのサービスや、動物園等の騒音が問題になる地域でのサービスに有効である。ヨーロッパの電気効率では、化石燃料からの熱効率は40%にも達する(ディーゼルは15%)と表明しており、更に新型は2年後にリリース予定である。

 バッテリーはSクラスに使用されているものと同じリチウムイオンを載せている。車載される6個のバッテリーパックは、ドイツ東部のダイムラーの子会社で製造されている。

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2017年9月17日 (日)

グーグルの自動運転への投資額

 グーグルはこれまで自動運転にどれくらいの費用を使ったのだろうか。実際にサービスが始まるまで、研究開発の投資額を公表することはないのだけれども、公表せざるを得ない事件が起きた。

 その事件というのは、グーグルが自動運転のデータを盗用されたとウーバーを訴えたことである。この訴訟の中で、グーグルは2009年から2015年までの投資金額を明らかにして、ウーバーに対する要求を組み立てたからである。

 それによると、グーグルが自動運転に費やした費用はソフトウェア分とハードウェア分を合計して11憶ドル(約1200億円)だ。ウーバーがグーグルの技術を盗んだとして、損害賠償額の根拠にしたのである。1200億円とは莫大な費用に思えるものの、2016年にGMがクルーズオートメーションに1100憶円を投資したことを考えれば、妥当なものにみえる。また、今年、フォードも自動運転のベンチャーに同額を投資している。インテルに至っては、モバイル・イヤー社の買収に1兆6800億円も支払った。

 他社の例を見れば、グーグルの投資額は妥当かどころか控えめなものとなっている。例え投資額が同額であっても、グーグルには自動運転に欠かせない道路データが300万マイル以上も自社資産として残っているからである。

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2017年9月15日 (金)

Lyftの自動運転サービス

 配車アプリサービスのLyftは、自動運転サービスに向かって準備を進めている。今回、サンフランシスコのサービスはDrive.aiの自動運転をパートナーにすることを発表した。

 Lyftはすでに、Cruise Automation、Waymo、nuTonomyと提携している。これらの提携先の自動運転の方式には、実は統一感がない。

 例えば、これまで提携しているnuTonomyは、論理を築いて理詰めで自動運転をする方式なのに対して、Drive.aiはディープラーニングで学習することによって自動運転を行う方式である。つまり、両者が同じレベルの安全性に達するかは全くわからないし、そもそも運転の仕方も同じレベルではないだろう。サービスの地域が違っていれば、共存できないこともないだろう。Lyftは一番良いものを選択するため、各社と提携しているのかも知れない。

 Lyftが計画している自動運転サービスは、コースを限定して移送サービスである。この様な状況では、どの方式にしてもあまり差異はないかも知れない。

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2017年9月11日 (月)

新型リーフ

 日産の新型リーフは発表された。航続距離が伸びて、更にプロパイロットが標準装備と意欲的な自動運転を目指したEVである。

 ゴーンCEOは完全自動運転の実現は2020年と主張して来た。新型リーフの自動運転化は、将にそのロードマップに向かっているといえる。

 電動化と自動運転化という自動車の大きなトレンドに真っ向から応える新型リーフも、ライバルと比べると必ずしも一番手という訳ではない。電動化については、10万ドルもの高価とはいえ、テスラが最初である。リーフは3万5千ドルで実現しているのだから、かなりの進歩といえなくはない。しかし、リーフ対抗のテスラのモデル3は350kmの走行が可能である。また、GMのボルトは3万ドルで380kmである。新型リーフは400kmであり、更に来年予定しているパフォーマンスバージョンでは480kmまで伸ばすと発表している。

 走行距離と自動運転対応はライバルとの性能競争になり、リーフの独自仕様といえるのは1ペダル運転である。ノートe-Powerを更に改良したもので、通常走行ならアクセルペダルの操作だけで問題ないというものだ。

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2017年8月31日 (木)

フォーミュラ・スチューデント・ドライバーレス優勝チーム

 フォーミュラ・スチューデント・ドライバーレスに優勝したチームは、スイス連邦工科大学(ETH)である。ETHの活動を紹介しよう。

 ETHチームは、先ずレースに先立ち、競技舞台となるホッケンハイムリンクを手押し車でコースをトレースした。これはコースマップを製作するため、各種センサとPCを搭載した手押し車による計測作業である。

 チームの主要センサは、ライダーとカラーカメラである。競技コースはリンク上に置かれたパイロンで形成されるため、ライダーによりコーンの位置を計測した。ライダーを使えばコーン位置の認識は容易に思えそうなものの、実際はコース端に生える草等の障害物が難しい。また、水たまりができると、そこからの反射が妨害することもある。そのため、コース選定の基本プログラムは確率ツリーとなる。また、カラーカメラの役目はコーンの色の認識である。車両速度は、古典的な車輪速センサを用いた。スリップすると使えないので、トラクションコントロールでホイールスピンを抑えた。

 ETHチームは、2位のチームでも走行中にフリーズしたり狭路を通過できなかった状況を克服したのである。彼らはセンサのトレードオフを検討したと言っており、センサに頼らなかったことも勝因だろう。

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2017年8月30日 (水)

フォーミュラ・スチューデント・ドライバーレス

 今年も15が学生チームが出場した自動運転の電気フォーミュラレースが行われた。開催場所は、ドイツのホッケンハイム・リンクである。

 ほとんどのチームが過去にも参加していたため、スムーズにレースが行われると思われていた。ところが、決勝当日の雨のため状況は変わってしまった。

 このレースは各車一斉に走行して順位を決めるのではなく、1台づつ走行するタイムレースである。走行するコースは、一台だけが通ることができる幅にパイロンで作った屈曲路となる。予選段階は晴れていたため、各チーム共ドライのコースで調整していた。そのため、決勝の10周を完走できなかったチームもあった。決勝当日は各チームの要望により、走行コースを一部走りやすくしたほどだった。主催者側は安全意識が高く、レギュレーションにも反映されている。

 成績上位チームは、ロバストにするためシステムを冗長に作ったチームだった。このレースで学生たちが学ぶことは多い。

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2017年8月19日 (土)

自律移動電動車椅子プロジェクト

 自律移動ロボットの応用として、電動車椅子を自律走行させる2つのプロジェクトを紹介しよう。1つはシンガポールの病院で行われており、もう一つは羽田空港で展開されている。

 シンガポールのものは、チャンギ総合病院でMITが行っているものである。2016年1月から開発が始まったスマート・セルフ・ドライビング・ホイールチェアを配備したものである。
 
 MITのホイールチェアには3つのライダーが搭載され、これらで地図を作製する。これによりローカライゼーションする方式で、自動運転車の技術を応用している。羽田空港のプロジェクトは、パナソニックが行っているホイール・ネクスト・プロジェクトである。2020年の実用化を目指した実証実験で、こちらは2つのライダーで制御している。空港での案内が目的のため、呼び出しはスマホを使い、他交通機関の乗継を行う空港内での移動補助となる。

 これまでもハイテク車椅子が提案され商用化がされているものの高価なため普及していない。成功のカギは如何にコストを抑えるかである、と開発者は認識している。

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2017年8月17日 (木)

準天頂衛星

 日本ではGPSの精度をセンチメートル単位にするため、準天頂衛星の打ち上げが計画されている。同様の取組が、ヨーロッパでも計画されている。

 ドイツのボッシュ、Geo++、スイスのU-bloxと三菱電機の4社がSapcordaサービス社を設立すると発表した。ヨーロッパ用の準天頂衛星サービスを開始するためである。

 アメリカのGPSの精度は約10メートルであり、ヨーロッパが打ち上げたガリレオにより、精度が1メートルまで改善することが期待されている。しかし、自動運転にはセンチメートルオーダーの精度が必要なのである。Sapcordaの方式は、ほぼ日本の準天頂衛星と同様で、GPSやガリレオ衛星の誤差を補正する方式である。日本の方式が稼働するのは、来年からの予定であり、Sapcordaにはこのノウハウが適用され、業界標準になることを目指している。

 日本政府は準天頂衛星に2000億円の投資を表明している。更に、大手自動車メーカー、三菱電機、地図関連企業が政府系合弁会社DynamicMap Platform(DMPC)社を起こし、3万キロメートルに及ぶ日本の高速道路の3D地図を製作して自動運転に備えているのである。

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2017年8月11日 (金)

EVの時代

 三菱自動車とGSユアサは、従来の2倍の走行距離が可能となるリチウムイオンバッテリーを開発したと発表した。量産は2020年を目指している。

 EVの最大の関心事は走行距離である。容量の大きなバッテリーを積めば良いものの、コストとのトレードオフとなるためバッテリーの性能向上は大歓迎される。

 バッテリーの開発競争は激化している。ドイツでは複数の企業でコンソーシアムを設立してバッテリーの性能向上に努めており、2019年にはテスラのギガファクトリーに匹敵する生産工場を設立する予定だ。トヨタも燃料電池からEVに軸足を移動しつつあり、固体電解質を利用したリチウムイオンバッテリーを発表している。このバッテリーは耐熱性に優れているため、バッテリーセル密度を上げることが可能であり、充電速度も向上する。ボルボも次世代モデルは、EVかハイブリッドのみになると発表している。

 エネルギー政策のシンクタンク、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスはEVの将来性をこのように主張している。EVは2026年までに、化石燃料系自動車と同コストになる。

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2017年8月 9日 (水)

自転車検出

 国によっては、車道に現れる大型動物の検出が必要であった。各国に共通して動物以上に重要で、かつ検出が難しい車道に出現する物体がある。

 それは自転車であり、高速道路の自動運転では検出対象にならないので、日本ではまだ話題にあがっていないだけである。一般道路の自動運転では、最も検出が難しい対象物体である。

 自転車は、自動車に比べ、小さく、速く、外見のばらつきが大きい。自転車の形状や色は雑多で、かつポーズを種々変えてしまう人間が乗っているのである。一般交通の画像から学習するにしても、サンプルが少なく学習し辛い。そのため、ディープラーニングによる画像処理でも、自転車の検出率は芳しくない。ボルボは自動ブレーキの対象として、サイクリストも挙げているものの、状況を限定している。自転車が急旋回したり、転倒したり、急に前を横切る状況は対象となっていない。しかし、一般道の自動運転では日常的に起こり得る状況には全て対応できないといけない。

 カリフォルニア州で始まった自動運転の公道テストにおいて、車道の自転車への対応方法が法律違反になっているケースもあるらしい。自転車を管理する当局の責任者は、新技術の導入は慎重にして欲しいと要望を出している。

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