2019年9月30日 (月)

ポイントクラウド(最終回)

 これまで,機械がポイントクラウドデータで物体認識する二通りの一つ,モデル認識について説明した.モデルの認識は、二つのポイントクラウドが合致するかどうかというで機械的に進めることができることがわかったと思う.

 物体認識のもう一つは属性認識である.これがポイントクラウドが意味するものを問う問題である.

 この問題はいわゆるパターン認識と呼ばれる分野の問題であり,その中のパターン分類と考えてよい.パターン分類とは,パターンによってパターン空間にできるかたまり(クラスタ)を特定することである.われわれが問題にしているのは,交通環境の対象物体として,自動車,二輪車,歩行者の3種類の属性である.これらの物体はサイズに特徴が出るため,簡単には縦横高さの長さをパターン軸として,そこでのクラスタが特定できるかを考える.

 自動車,二輪車,歩行者単独で密なポイントクラウドを得ることができれば,これらの属性認識は難しくはない.難しくなるのは,ポイントクラウド密度が低下したり,複数個重なったりしたときであり,これらのときは一回の観測ではなく,数回の動的な状況での判断を加える.

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2019年9月29日 (日)

ポイントクラウド(26)

 2つのクラウドから抽出されたキーポイント間の対応点を確立するための最も単純なアプローチは,ソースとなるポイントクラウド上の各記述子を,ターゲットのポイントクラウド上の最も近い記述子に対応付けることである.

 しかし,2つのポイントクラウド間に重なり合っていない領域が存在し,また,ノイズ,幾何学的変形,および記述子の対象とならない特徴のない点によって引き起こされるアンマッチングに起因し,いくつかの対応関係が誤対応となる.正確な照合を行うため,キーポイントを正しく一致させ誤対応点を除去する必要がある.

 最も一般的なアプローチはRANSACを使用することである.

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2019年9月28日 (土)

ポイントクラウド(25)

 3D形状コンテキスト(3DSC:3-D Shape Context)とは,キーポイントを中心とし,半径,方位角,仰角の3つの領域に沿って量子化された球面グリッドを使用する.この量子化は、3Dヒストグラムを定義し、各ヒストグラムの単位となるビンは,グリッドの体積によって表される.球の北極を法線ベクトルに合わせ,球をビンに分割する.方位角と仰角は,等間隔に分割し,半径は分割を対数的に行って球の中心に向かって小さくとる.そして,ビンそれぞれに対し、ビン内の近接点すべてにビンの体積と局所的な点の密度で決まる重み付けし総和をとる.また,回転に対応するため,サポート球を法線周りに方位角の分割度数N回回転させ, ポイントに対し合計N個の記述子を作り出す.

 SHOT(Signature of Histograms of Orientations)記述子とは,3DSCのように球形の構造内の表面に情報を符号化したものである.球体は32のビンに分割され,方位角に沿って8つ,仰角に沿って2つ,半径に沿って2つの区画を使用する.どの部分領域に対しても,法線ベクトルとそのサポート構造内のポイントとの間の角度を局所ヒストグラムとして計算する.すべての局所ヒストグラムを計算し,局所参照座標系を使用して回転不変にする.SHOTは,ノイズやオクルージョンに対してロバストといわれている.

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2019年9月27日 (金)

ポイントクラウド(24)

 FPFH(The fast point feature histogram)記述子とは,PFH記述子を高速化したものである.PFHとは,キーポイントとある半径の球面領域内のポイントとの2点(p_s,p_t)をペアとし,それぞれの点の法線ベクトルn_s,n_tを元に,次のような固定座標系u,v,wを定義する.

u=n_s               (22)
v=u×(p_t-p_s)/‖p_t-p_s ‖_2    (23)
w=u×v               (24)

次に,次式のような角度を計算する.

α=v∙n_t              (25)
φ=u∙(p_t-p_s)/‖p_t-p_s ‖_2    (26)
θ=tan^(-1)(w∙n_t∙u∙n_t)      (27)

ここでd=pt-psとして,キーポイントα,φ,θ,dで4つ値をセットとするヒストグラムを作成する.ヒストグラム作成プロセスは,各特徴量の値の範囲をある値の領域に分割し,それぞれの領域内の特徴量の出現数をカウントするものである.4つの特徴量のうち3つは法線ベクトル間の角度であるため、三角関数の円内で同間隔に正規化可能である.分割の例として,各特徴量の間隔を同数のパーツに分割すると完全に相関のある空間に4 個の柱を持つヒストグラムが作成できる.

 FPFHはこのPFHを高速化したものである.PFHがある半径の球面領域内のポイントペア群を対象にしていたことに対し,FPFHは近傍のポイントペア群だけを対象とすることにより,計算量を大きく減らして高速化を図った.PFHでの計算量O(nk^2)が,FPFHではO(nk)となる.

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2019年9月26日 (木)

ポイントクラウド(23)

 記述子とは,2ポイントクラウドで検出した各キーポイントを使って計算する対応関係の指標である.局所的記述子は,ポイントの局所近傍をコンパクトに表現したものといえる.対象物体やポイントクラウドを表現する大局的記述子とは対照的に,局所的記述子は着目ポイントの局所近傍の形状を表現するためマッチングには適している.

 Spin Image記述子とは,対象ポイントの法線回りに平面を回転させ,平面と交差するポイント数を計算する手法である.この手法の利点は,記述子の計算に法線だけがあればよいことである.

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2019年9月25日 (水)

ポイントクラウド(22)

 他に,3D専用に開発されたキーポイントとして,ISS(Intrinsic Shape Signature)がある.これは,各ポイントと球面で接する近傍のポイント間で計算された3×3の散乱行列の固有値分解に基づく.これを計算すると,特徴のない点は3つの固有値の比をしきい値化することによって除去できるのである.非最大抑制段階のキーポイントとしては,最小固有値を用いるため,明確に一方向に沿ったキーポイントを示す.

 距離画像の3D専用のキーポイントとしては,NARF(Normal Aligned Radial Feature)がある.これは,対象物体の深さ境界に沿ったポイントの検出に焦点を当てたものである.特にこの手法においては,キーポイントが局所近傍における表面と異なる方向を示すように選択されているため,安定して視点変化に強いといわれている.

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2019年9月24日 (火)

ポイントクラウド(21)

 式(19)中央の行列をMとする.

M=∑w(x,y)[I_x I_y]^T[I_x I_y]                        (20)

 Mの固有値をλ1とλ2は,自己相関関数Sの主曲率に比例する.すなわち,固有値の値でコーナーかどうか判断が可能となる.そこで,det(M)= λ1λ2,tr(M)= λ1+λ2を考慮して,

R=det(M)−k・tr2(M)                                     (21)

を計算し,ある値以上のときコーナーと判断する.ただしkは実験的に求める定数で、0.04〜0.15の値で決定する.これをポイントクラウドに拡張するため,三次元では画素の明るさの微分値を着目ポイントの法線と,その隣接ポイントの法線との間の角度を計算することに置き換える.つまり,法線の大きな角度値を生じるポイント点が,三次元におけるコーナーとする.

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2019年9月23日 (月)

ポイントクラウド(20)

 3Dでのキーポイント検出は,画像処理で発達してきた2Dでの検出器を応用したものから提案されてきた.まずは,各画像点の方向強度変化をTaylor展開するHarrisコーナー検出器を見てみよう.

 Harrisのコーナー検出器は,微小移動に対してコーナー部分は大きく値が変化することに着目したものである.微小移動量を(δx,δy)とすると,微小移動による自己相似性S(δx,δy)を次のように現す.

S(δx,δy) = ∑w(x,y)(I(x,y)−I(x+δx,y+δy))2     (17)

ここで,wは画素の重みを表す.式(17)をTaylor展開して高次を無視すると式(18)を得る.

S(δx,δy)=∑w(x,y)(Ixδx−Iyδy)2              (18)

ここで,Ix,Iy は画像の明るさのx方向,y方向の微分値である.式(18)を行列形式に変形し次式とする.

S(δx,δy)=(δx,δy)∑w(x,y))[I_x I_y]^T[I_x I_y](δx,δy)^T  (19)

※[I_x I_y]^T[I_x I_y]はテキストで2×2の行列を表現したいので、形式的に用いた。
 本来は2×2の要素の1行目が、I_x^2 I_xy、2行目が、I_xy I_y^2。

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2019年9月22日 (日)

ポイントクラウド(19)

 次は二つ目の計算方法。

 着目ポイント近傍の点を複数個使って法線ベクトルを求めるため,ノイズの影響は抑制される.すなわち,着目ポイントの近傍k個の点を使って最小二乗法で平面を計算し,その平面の法線方向を求め法線ベクトルを決定するのである.

 着目ポイント近傍のK個の点の集合P=(p_1,・・・,p_k)が近似する平面の法線ベクトルをnとすると,この平面上の点xは次式を満たす.

n^Tx=b   (7)  

ここでbは定数であり,点の集合Pが平面を近似するには次式を最小にすればよい.

f(n,b)=Σ^k(n^Tp_k-b)2    (8)

この式を最小にするn,bを求めることを考える.平面の式(7)は定数倍だけ不定性があるため,nの大きさを1に限定する条件としてラグランジュの未定係数法を導入する.

f(n,b,λ) =Σ^k((n^Tp_k-b)^2-λ||n||^2-1)      (9)

ここでλはfを最小化するパラメータである.fをbで偏微分し0とおいて次式を得る.

Σ^k(n^Tp_k-b)^2=0       (10)

これより次式を得る.

n^Tp_a=b           (11)

ここでp_aは点集合Pの重心(1/N) Σ^kp_kである.上式を式(9)に代入して次式を得る.

f(n,λ)= Σ^k((n^T(p_k-p_a))^2-λ||n||^2-1)      (12)

次に,この式をnで偏微分し0とおいて次式を得る.

(n^TΣ^k(p_k-p_a))(p_k-p_a)=λn   (13)

Σ^k(p_k-p_a)(p_k-p_a)^TをQとおくと,式(13)は次式となる.

Qn=λn          (14)

式(14)は点集合Pの共分散行列Qの固有値を求める式であり,法線ベクトル導出の問題が共分散行列Qの固有値問題に帰着したといえる.式(8)に式(11)を代入すると次式を得る.

f(n)=Σ^k(n^T(p_k- p_a))2     (15)

を得る。Qを使って上式を書き直すと次式となる.

f(n)= n^T Qn=λn^Tn=λ      (16)

f(n)を最小にするには,最大3個求まる固有値のうち最小のものを選択すればよく,その固有値に対応する固有ベクトルが求めたい法線ベクトルとなる.

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2019年9月21日 (土)

ポイントクラウド(18)

 一つ目の計算方法から。

 局所面となるメッシュにするため,最近傍点点を結んで三角形を作っていくことが基本となる.これにノイズが混じると凸凹した表面ができるため,ノイズに弱い手法といえる.

 フィルター処理等でノイズが抑制され,メッシュ化が完了しているものからは,次のように法線ベクトルを計算する.法線ベクトルをnとすると,xyz座標の要素は次のように表現できる.

n=(-n_x,-n_y,1)/(n_x^2 + n_y^2 +1)^(1/2)           (4)

ただし,n_x=∂z/∂x,n_y=∂z/∂yである.よって,メッシュ化されていれば,xyzの値が読み取れるため,n_x ,n_yを計算すればよい.ところが,ポイントは三角形の頂点になっているため,z(x)を座標x値におけるzの値として次のように両側をまたいで計算すればよい.

n_x=(z(x+1) - z(x-1))/2                   (5)
n_y=(z(y+1) - z(y-1))/2                   (6)

 なお,両側の三角形の面積の違いが気になる場合は,面積に応じた重みを付けて面積が大きい面側に向くn_x ,n_yとする.

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